2017 Fiscal Year Research-status Report
過疎地域における高齢ひきこもり者の実態把握と地域介入を柱とする包括的支援策の提言
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16K10258
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山科 満 中央大学, 文学部, 教授 (40306957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 耕太郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00337156)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ひきこもり / 地域介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に則り,①地域での当事者および家族を対象とした訪問・面接による支援活動,②地域での啓発活動,③学会発表,の3方面で研究活動を継続した。 ①洋野町地域包括支援センター,久慈市山形保健室,野田村住民保健課の保健師らと連携し,地域での訪問活動および家族支援(保健所等での面談)を継続した。年間での家庭訪問件数は延べ50件ほどで,うち新規の訪問は5件であった。継続ケースについては,多い場合は年間8回の訪問となるなど,関与を途切れさせること無く関係の発展に努めている。その結果,数名が援助つきの就労に至ることができた。 ②自治体の要請に基づき,洋野町役場,野田村役場で,地域の支援者および一般住民向けの講演会を開催し,啓発活動を行った。講演を聞いた家族が支援を求めて自治体窓口を訪れるなど,目に見える成果があった。また,次年度も講演活動を継続するよう保健所などから依頼された。 ③2017年6月,第113回日本精神神経学会学術総会(名古屋)にて,口頭発表「過疎地におけるひきこもり者を対象にした家庭訪問による実態調査」を行った。また,2018年2月,第29回岩手公衆衛生学会学術集会(盛岡)にて,口頭発表「ひきこもり支援経過と今後の方向性について」を共同で行った。いずれも注目を集め,他大学の研究者とのネットワーク形成に役立った。洋野町では,これまでに関与したひきこもり事例が50例に達したため,このデータを整理・分析することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始以前からの関与例も含めると,「ひきこもり」支援の関与対象となったのは合計60例となり,研究計画段階での目標数80例に近づきつつある。特に洋野町では,町を挙げての取り組みが続き,50事例の蓄積が得られた。この転帰を含む分析に着手できたのは,当初予定よりも1年早いことであり,進展が順調と言える根拠である。 一方,家族支援については,個別の面談の積み重ねに留まっており,CRAFTを応用したシステマティックな支援の展開には至っていない。持続的に関与できる専門家の助力を得ることが課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き①地域での当事者および家族を対象とした訪問・面接による支援活動,②地域での啓発活動,③学会発表,の3方面で研究活動を行う。研究は5年計画の3年目であり,多くの事例を蓄積していくことが引き続き最大の目標である。 ①訪問活動は,概ね2泊3日の活動を基本として,年間で6~7回を計画している。対象者の選定については,これまで同様洋野町地域包括支援センター,久慈市山形保健室,野田村住民保健課らと連携していく。家族支援については,それぞれの地域にある家族会への関与を深めていく。②久慈保健所などの依頼に応じて,啓発のための講演会を積極的に行う。③日本社会精神医学会などで,蓄積したデータの分析結果を公表していく。 以上により,今年度も研究の着実な推進が見込めると考えられる。
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Causes of Carryover |
旅費が最大の支出項目であり,毎回相当な金額が必要となるため,物品費を削れるだけ削る努力をしたり,旅費の中でも宿泊費を受け取らずに病院の当直室にて仮眠したりして節約に努めた。その結果残額が9万円余りとなったが,この金額は東京から1泊2日で対象地域への出張(レンタカー使用料あり)を2度行うと消化できる金額である。また,当直室での仮眠が研究環境としては過酷であり体力的な負担が大きいことから,適宜宿泊施設を利用することも検討している。
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Research Products
(2 results)