2017 Fiscal Year Research-status Report
11C-標識タンパク質の無細胞合成用高濃縮[11C]メチオニン自動合成装置の開発
Project/Area Number |
16K10267
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 洋一 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助手 (60361200)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古本 祥三 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00375198)
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 名誉教授 (60143038)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | PET診断プローブ / メチオニン / ペプチドタンパク質標識 / 自動合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然アミノ酸の一種であるL-メチオニンを、冷却濃縮した[11C]メチルトリフレート(11CH3OTf)を用いてオンカラム的に標識反応を行いL-[11C]メチオニンを合成し、使い捨ての固相抽出カラムによる分離精製を経て、数百μL以下の水溶液として調製する方法と、その標識薬剤合成を実現する自動合成装置を開発することを本研究は目的にしている。 今年度では、以下の1-2の課題について研究を進め、最終年度につながる成果を得た。 1.冷却捕集された[11C]メチルトリフレートとの標識反応の最適化:[11C]ヨウ化メチル(11CH3I)から合成される[11C]メチルトリフレートを冷却ループ中に捕集し、これを有機溶媒で溶出しメチル化反応を行い、極微量の標識反応物を得られた。また、冷却捕集された[11C]メチルトリフレートのループ中で直接標識反応を行い、数十μLの反応液として回収することにより、反応前駆体量を通常の1/20以下の使用におさえることができた。前駆体量が少なくなったことでメチル化反応後の固相精製処理で、カラム使用量を減らし前駆体の混入量を可能な限り低く抑えることができた。 2.固相精製システムの改良: 精製装置を微量濃縮精製の為の低デッドボリュームバルブを組み込んだ駆動システムをとして改良した。また、専用制御ソフトを LabVIEW開発ソフトウエアを使用して開発した。 以上の結果から、最終年度では試験装置の反応精製システムでの精製条件の効率的な検討が可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
固相精製処理で反応前駆体の混入を少なくし、前駆体除去と反応生成物の回収容量を減らす方法として、反応溶液の前駆体濃度を維持しつつ、濃縮装置からの回収液量をさらに減らし、濃縮した[11C]メチルトリフレートと直接濃縮ループ中で処理するシステムの改良を図る必要がある。当初計画していた濃縮装置の捕集濃縮時の冷却ループモジュールを工夫し耐薬品性能等と反応表面の潤滑性を改善し、合わせて固相処理装置の精製部の仕様を一部変更し、デッドボリュームの少ない、回収性能を上げるための改良を行った。改良に予想以上の時間と手間を要した。また、本研究施設でのヨウ化メチル合成装置の老朽化によりその不具合補修で十分な条件検討が出来ず一部実験を延期した。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度までに行ってきたことを継続して行いつつ、濃縮装置と固相精製装置を利用し、標識反応および、反応条件の最適化を効率的に完了する。また、迅速な溶媒留去法に関して研究を進める。 得られる[11C]METを無細胞合成に使用し、その品質を評価する
|
Causes of Carryover |
次年度使用額は、当初計画していた合成実験を行うために当該設備の十分なマシンタイムが確保できなかったことに加えて、標識反応に使用する施設所有のヨウ化メチル合成装置の老朽化により、その不具合補修で、合成実験予定の一部を変更したことに伴い発生した未使用額であり、今年度請求とあわせて、研究遂行に使用する予定である。 また、本研究の合成実験を遂行する上での十分な優先マシンタイム確保に使用する
|
Research Products
(1 results)