2017 Fiscal Year Research-status Report
肝内胆管癌の遺伝子・分子生物学的機構に基づいたイメージバイオマーカーの研究
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16K10272
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小坂 一斗 金沢大学, 附属病院, 講師 (80547175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 憲一 金沢大学, 医学系, 教授 (30283112)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腫瘤形成性肝内胆管癌 / CT / FDG-PET/CT |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は肝内胆管癌(iCCA)の発生母地に応じた生物学的多様性について、画像的所見と病理所見による腫瘤形成性肝内胆管癌(MF-iCCA)の亜分類の対比を行った。 外科切除されたMF-iCCA(n=40)を対象とし、術前画像よりMF-iCCAの局在を領域胆管(B-2)、区域胆管(B-3)、亜区域胆管(B-4)に分類し、それらの画像所見(CT、FDG-PET/CT)と病理所見(粘液産生のない増生細胆管に類似した腫瘍をcholangiolocarcainoma(CLC)、粘液産生を伴う腺癌をiCCA)との対比を行った。 B-2~B-5における画像所見(ダイナミックCT)では乏血の割合はそれぞれ50%、56%、14%、0%、SUVmaxはそれぞれ3.7 (n=2)、8.7 (n=9)、3.7 (n=8)、3.7 (n=4)であり、B-2における病理組織診断は全例iCCA、B-3はiCCA n=14、ciCCA-CLC n=2、CLC n=1、B-4はiCCA n=4、c iCCA-CLC n=4、CLC n=6、B-5はiCCA n=2、ciCCA-CLA n=1、CLC n=2であった。 腫瘤形成性肝内胆管癌のうち末梢に局在するものは乏血である頻度が少なく、SUV-max値が低い傾向にあり、CLC成分を含むものが多いことが判明した。しかしながら各群間には少なからずオーバーラップが見られること、特に肝門部領域における局在判断の一致率が低いことが問題点として挙げられ、よりよい画像バイオマーカーの確立が必要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は腫瘤形成性肝内胆管癌の遺伝子・分子多様を反映したイメージバイオマーカーを確立することを目的としている。現在までにFDG-PET/CT、Gd-EOB-DTPA造影MRI、ダイナミックCTの有用性が確認出来ているが、遺伝子変異に基づいた検討が出来ていない。Retrospective designであるため、標本の固定状況が不良であることが一因であるが、本年度は新鮮標本を用いた検討あるいは遺伝子多型を反映した免疫組織科学染色による分類での検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に出来なかった遺伝子多型に基づいたイメージバイオマーカーの確立を推進していく。研究体制・組織図については、研究アドバイザーである松井 修については役職の変更があるが、指導体制に変更はない。
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Causes of Carryover |
(理由) 昨年に引き続き情報処理システムの更新の必要が生じなかったため、助成額に余りを生じている。 (使用計画) 本年度は前半でシステムの改築と病理診断において予算使用をする。また、研究結果を国際学会で発表するための旅費として予算使用する。
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