2018 Fiscal Year Research-status Report
逐次近似画像再構成法を用いた低線量CTにおける冠動脈石灰化スコアの確立
Project/Area Number |
16K10279
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
立神 史稔 広島大学, 病院(医), 講師 (90411355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟井 和夫 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (30294573)
檜垣 徹 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 共同研究講座准教授 (80611334)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 冠動脈石灰化 / 逐次近似再構成法 / 低線量CT |
Outline of Annual Research Achievements |
従来の320列CTの2倍の分解能を有し、より小さな病変をより詳細に描出することができる高分解能CT装置が新規に導入された。さらに、今年度は機械学習を用いた画質改善ソフトが臨床で使用可能となった。これは分解能の劣化をきたすことなく画像ノイズを大きく低減できる新たな手法である。従来の320列CT装置での値と比較するためにも冠動脈カルシウムファントムを再度、高分解能CTで撮影することとした。昨年度と同様、2%ゼラチンで満たされた冠動脈血管ファントム内に、石灰化モジュール(CT値200HU、400HU、600HUの3種)をそれぞれ1.0、3.0、5.0mm3の体積で作成し、人体ファントム(300×200mm径)内に設置し、管電流250mA、管電圧120kVで撮影を行った。画像再構成はfiltered back projection (FBP)、逐次近似応用再構成法(HIR)、モデルベース逐次近似応用再構成法(MBIR)、deep learning based reconstruction(DLR)で行い、それぞれで画像ノイズと石灰化の容積を計測した。その結果、画像ノイズはそれぞれ34.4HU、15.1HU、25.2HU、12.3HUで、DLRが最もノイズ低減効果が高かった。体積測定に関しては、いずれの濃度、体積のモジュールにおいてもMBIRが最も真値に近い値となった(3.0mm3および5.0mm3モジュールの誤差は2%未満)。DLRはノイズ低減効果が高かったが、石灰化モジュールの測定においては他の再構成法と比べて最も低値を示した。今回の検討では、超高精細CTを用いても、MBIRが最も正確な値を計測できる結果となった。なお、従来の320列CTでは1.0 mm3モジュールの計測は不正確であったが、超高精細CTでは誤差が10~64%で、許容範囲と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規に高分解能CT装置が導入されたため、従来の320列CT装置での値と比較するためにも再度、冠動脈カルシウムファントムを撮影した。また、機械学習を用いた画質改善ソフトが導入されたため、石灰化の定量評価に関し従来の逐次近似再構成法との比較検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究結果を英文論文にて発表する。 また現在、臨床で使用している石灰化スコアの算出法は簡易的な計算法であり、今回の結果とは傾向が大きく異なる。31年度は、ファントムおよび実際臨床で撮影された画像データを用い、石灰化スコアと我々が用いた計算法の相関関係を検討する。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた国際学会に出席できなかったため、次年度使用額が生じた。 平成31年度に当該学会に参加することとする。
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Research Products
(5 results)