2017 Fiscal Year Research-status Report
Dual-Energy CT による構成元素解析に着目した腎病変CT診断法の開発
Project/Area Number |
16K10281
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本田 有紀子 広島大学, 病院(医), 病院助教 (60604486)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亭島 淳 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 准教授 (20397962)
安井 弥 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (40191118)
檜垣 徹 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 特任准教授 (80611334)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | CT / Dual Energy / renal tumor / Fe |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的はDual-EnergyCTの構成元素解析技術を、ヨード、鉄、脂肪に応用し、物質マップを作成し、腎腫瘍のCT診断に応用することである。 平成28年度には、ファントム実験を行い、鉄マップの作成を試みた。鉄の濃度により、マップの正確性が異なることがわかり、鉄の濃度が低い場合、使用することが難しいことがわかった。特に、三つの要素が混在した場合の精度が低いことが判明した。この点は、実験をしたことで明確に理解できた事項であり、臨床的には2つの元素を分別する解析が有利であることが示唆された。2つの元素であれば、比較的構成元素の濃度に比例したデータが得られることがわかっている。 平成29年度は、ファントム実験の内容を臨床応用するため、臨床症例を収集する手続きを行った上で、症例収集を進めている。30例程度の臨床症例を収集をしたところで暫定的な解析をおこなった。臨床的な鉄の濃度は研究開始当初の想定より低いことが判明し、仮説通りの仮想的な鉄マップなどの、理想的な構成元素画像が全例で安定して得られないことがわかった。現在は、このデータを別のパラメーターや解析法を使用し解析を試しながら、病理像から出血、鉄の存在を確認したうえで、どの解析方法が鉄の存在を最も鋭敏に反映できるかを探りながら、症例収集を継続している段階である。今後、鉄の選択が難しい場合は、他の構成元素の解析を試し、それが臨床的にどう意味を持つか、改めて検討すべきとかんがえている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度に行ったファントム実験が仮説通りの結果を得られず、当初の予定を延長して行うこととなったため、その後予定していた臨床例収集のタイミングも延長せざるを得なかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床例の解析方法を、当初予定した各構成元素を中心とした物質マップ作成によるものだけではなく、Dual-Energy CT から得られる様々なparameter に拡大し、腎腫瘍CT診断によりよい解析法を見出す予定である。
|
Causes of Carryover |
当初のファントム実験の解析が仮説通りにいかず、予定していた期日より実験を繰り返し行う必要があったため、H29年度の学会参加は情報収集を目的としたもののみとなり、予定していた暫定的成果を発表する学会参加を延期せざるえなくなったため。未使用額の使用用途であるが、平成30年度は、当初予定した解析法に加え、別の解析方法を試すため、必要なソフトの購入を検討している。また、解析の暫定的な発表と情報収集のため、学会参加・発表、および、論文の執筆、英文校正、提出に関わる経費にあてる予定である。
|