2017 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞癌の高精度放射線治療効果を高めるための放射線性肝障害病態解明
Project/Area Number |
16K10289
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岡田 真広 日本大学, 医学部, 教授 (20296700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 和司 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (50237799)
武田 篤也 東海大学, 医学部, 客員教授 (80296699)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | RILD / 肝細胞癌 / 放射線治療 / 肝機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、肝細胞癌の放射線治療後に生じる肝実質障害(Radiation-induced liver disease; RILD)の画像所見や病態モデルを明らかにすることにある。RILDに相当する肝実質の画像解析および生検を行い、造影MRI検査や造影超音波検査による微細肝血流評価、肝細胞機能、クッパー細胞機能の画像的評価と対比を行う。2例であるが放射線性肝障害部位の針生検を施行することができた。一例では、放射線治療後に急性期から内皮細胞が障害を受けていた。また 門脈域の線維性拡大が認められた。しかし多数症例での病理的な特徴をつかむまでには至っていない。今後も症例を増やして病態解明につなげたい。放射線治療後のMRI,CT画像の特徴的な変化は経時的にデータが収集されているが、解析は進行中で結果はでていない。 ソナゾイド造影超音波について放射線施行後の肝実質の経時的変化もデータがあつまってきており、連携研究者の施設でデータが蓄積されている。造影USでは放射線治療部位は動脈血が非常に多いが、詳細は論文投稿前であるため、論文受理後に公表したい。なお放射線治療後のすべての画像はデジタルデータとして保存してあり、解析予定である。また今後もRILDの症例を増やしていく予定である。 放射線治療後に生じる肝実質障害に対する文献検索の結果やRILD症例を含めた総説的な発表は2017年11月と2018年3月に国際学会(それぞれ北米放射線学会、ヨーロッパ放射線学会)にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者および連携研究者は月1回のカンファレンスにて情報共有を行っており、研究は少しずつ進行しているものの、十分な時間をとることができないため、研究は遅延している。 2例であるが放射線性肝障害部位の針生検を施行している。病理学的に放射線治療後の急性期反応、晩期反応などを生検組織で検討するにはまだ多数例が必要であり、研究データ取得を現在進行中である。 今後も症例を増やして病態解明につなげたい。放射線治療後のMRI,CT画像の特徴的な変化は経時的にデータが収集されており、系統的に統一した手法で解析予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
月1回のペースで、共同研究者のいる横浜市立大学市民総合医療センターにカンファレンスを兼ねて訪問している。その際、研究は少しずつ進行しているものの、肝細胞癌患者に対する放射線治療の患者は多いわけではないため、症例蓄積が予定よりも遅れ気味である。臨床的必要性により症例の治療方針が決定されるため、時間をかけて研究データ収集にあたる必要がある。得られたデータで解析可能なところから結果を出していきたい。 研究初年度に放射線治療後の画像評価方法およびMRI・超音波画像データ解析の最適化を行っているが、これに基づき、データ蓄積がなされている。肝細胞癌の放射線治療患者は研究分担者の施設間で、すでに定期的な紹介およびデータ共有が行われており、本研究を施行する環境は十分である。研究代表者は今後も本研究の肝細胞癌患者も対象となる画像病理症例検討に参加し、得られた画像を病理所見(免疫染色も含む)と対比し、研究を少しずつ前進させていく。これにより、放射線性肝障害部位のMRI、超音波所見と病理所見の関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究計画よりも実際の研究が遅延していることから次年度使用額が生じている。病理学的解析を行うため、アザン、鍍銀、CD68モノクローナル抗体、organic anion transporting polypeptide (OATP)等の試薬購入も今後必要である。データ解析用の高性能PCも購入予定で、資料費として文献等のコピー・ダウンロード費用も今後必要となってくる。 学会発表に対する旅費、参加費も今後使用していく予定であり、研究を遂行するために研究費を使用していきたい。
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Research Products
(2 results)