2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the pathogenesis of radiation-induced liver injury to enhance the efficacy of radiotherapy for hepatocellular carcinoma
Project/Area Number |
16K10289
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岡田 真広 日本大学, 医学部, 教授 (20296700)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼田 和司 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 診療教授 (50237799)
武田 篤也 東海大学, 医学部, 客員教授 (80296699)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 肝細胞癌 / 放射線治療 / 類洞内皮 / 肝細胞萎縮 / 肝細胞脱落 / 1型コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌(HCC)の放射線治療後の肝実質障害の病理的所見を明らかにするため5例で検討した(1例は切除、4例は生検)。切除標本で、HCC近傍では類洞が拡張し、充血しており、肝細胞索の萎縮があった。類洞内皮細胞はCD34陰性であるが、拡張した類洞近傍で陽性である。CD31も陽性である。拡張した類洞では陽性内皮見られず放射線障害で消失した可能性がある。HCC近傍の鍍銀とCD31染色では、放射線の影響で肝細胞が脱落し、門脈域が接近していた。HCC近傍で門脈域の接近があり、CD31中央部にて傍門脈域で毛細血管の増生が認められた。またCD31中央部にて傍門脈域で毛細血管の増生が認められた。 肝生検症例では内皮の消失と銀含浸網状染色パターンの不規則性が見られた。S8 SBRT領域の肝生検では、HEで局所的な線維化が観察され、銀染色では、肝細胞の萎縮と消失が見られた。SBRT後3ヶ月の症例では、肝細胞癌の生検標本には、非癌組織片が含まれており、肝細胞の変性や類洞内皮の減少が見られる部分があった。 銀含浸製剤では、肝細胞が脱落し、網目状のフレーム構造が拡大している部分があった。SBRT13.5ヶ月後で生検組織片には、非癌性の肝組織片は肝細胞の変性と内皮の減少が見られ、銀染色では、肝細胞が脱落し、網目状の染色パターンが不規則になり、フレーム構造が拡大していた。SBRT14ヶ月後、非癌の肝組織では局所的な線維化領域がありほとんどの部分は末期の変化で、萎縮とI型コラーゲン線維の増加が見られた。 前駆細胞からの肝細胞の再生が見られた。以上より、まとめると放射線治療後の組織学的変化は、初期段階ではまず類洞内皮が消失し、類洞壁に不規則な網目状の染色パターンが見られ、 次に肝細胞が萎縮・脱落し、網目構造が拡大する。 後期になると、1型コラーゲンの増加や前駆細胞からの肝細胞の再生などの変化が見られる。
|
Research Products
(2 results)