2016 Fiscal Year Research-status Report
肝Dual-energy CTの新たな臨床応用:平衡相データを用いた肝線維化診断
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16K10301
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
吉満 研吾 福岡大学, 医学部, 教授 (20274467)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肝線維化 / dual-energy CT / 平衡相 / ECV |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで慢性肝疾患患者に対し行われた肝プロトコールDECT(4相撮像、ヨード造影剤600I/kg使用)の中から後方視的にMRエラストグラフィ(MRE)を1年以内に施行した例を抽出し、MREによる肝硬度(kPa)と DECT単純相及び平衡相から計算されたECV(細胞外液性容量分画)を相関させた。 症例は40例。なを、当初の経験でDECT 40keV画像でのノイズ(椎体周囲のstreaking artifact)が顕著であり、これがECVの定量計算に悪影響をもたらすことが判明したため、前半の20例を用い、最適な計算のための関心領域(ROI)の置き方を検討した。その結果 血液プールとしては従来の報告に従った大動脈は不適切であり、むしろ心直下の下大静脈を横断像、矢状断像、冠状断像で測定した値の平均値を用いることで、最も安定したノイズの少ない計測が可能となることを証明した。 ついで、この心直下の下大静脈を血液プールとして用いたECVをMREによる肝硬度(40例)、及び病理(9例)と相関させた。結果、40keV、55keV画像で相関係数R2=0.57、0.54と中程度の相関が得られ、また、病理ではヨードマップ、40keVで相関係数rho=0.9、0.88と良好な相関が得られた。 まだ症例数が少ないため、確定的な事は言えないが、現状としては DECT平衡相を用いたECVは、簡便に通常の診療用CTデータを用いて肝線維化程度の予想が可能となる、極めて期待の持てる手法と言えると考える。今後症例数を増やし、検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予想しなかった40keVでのノイズの処理に戸惑ったが、何とかECV計算手法を確立することが出来た。今後は症例数を増やすことで、本法の検証を行えば良い段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年確立した方法を用いて、今後は症例数を増やすことで、本法の検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究記録用インクカートリッジ等の購入を次年度に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究記録用インクカートリッジ等の購入。
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