2018 Fiscal Year Research-status Report
高解像度3次元血管壁MRIによる頸部頸動脈プラークの定量法の開発
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16K10315
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
前田 正幸 三重大学, 医学系研究科, 教授 (70219278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 良平 立命館大学, 理工学部, 准教授 (20402688)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管壁MRI / 頸動脈プラーク / 容積計測 / ソフトウェア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は3テスラMR装置にて独自に開発した高解像度3次元血管壁MRIとプラーク容積の自動計測ソフトウェアを用いることにより、頸動脈プラークの定量化を確立することである。今回採用した血管壁MRIはターボスピンエコー(TSE)法を用いた3次元T1強調像である。従来のターボフィールドエコー(TFE)法との血流アーチファクトの違いに対して検討した。 TSE法では血流アーチファクトが抑制され、視覚的に頸動脈プラークと血管内腔の境界が明瞭となった。また、視覚的評価によりTSE法のほうが、TFE法と比べてその境界の描出能に優れていることが明らかとなった。このことにより、開発したプラークMRIは従来のプラークMRIよりもプラーク容積評価に適していることが証明された。この結果については既に雑誌において報告している。また、今回開発したプラーク容積計測ソフトウェアを使い、計測値の信頼性の検証を行なった。TSE 法による3次元プラークMRIにより撮像した頸動脈プラークの画像から、計測ソフトウェアを使いプラークの容積を計測した。この際、手動で計測した容積をゴールドスタンダードとした。ソフトウェアにより計測されたプラーク容積は計測者内、計測者間ともに高い信頼性を示した。また、手動により計測した容積との比較ではその結果に妥当性を得た。ソフトウェアによるプラークの計測は手動によるプラークの計測と比較して計測時間の有意な短縮を示した。以上の結果から、開発した計測ソフトウェアは高い信頼性と妥当性を持ち、また計測にかかる時間が短縮することから臨床の場において有用なツールとなることが証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回採用した頸動脈壁プラークMRIのプラーク描出能についての検討は論文として発表している。また、計測ソフトウェアについては改良され、プラークが筋肉との比 1.3以上の信号を持つ高信号のものであれば正確に計測可能となった。等信号プラークについては、このソフトウェアで計測することはできないことが判明し、これがこのソフトウェアの欠点ではあるが、臨床的に問題となるプラークは高信号プラークであるため、逆に不安定プラークのみを選択的に計測できるという長所にもなることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、平成30年度までに行った研究結果にさらなる症例数を追加する。プラーク容積と計測時間については、特にプラーク容積が大きな症例で手動とソフトウェアを比較してどのくらい計測時間に差が出るかについて解析する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)次年度使用が生じた理由としては、国際学会への出張が予定より少なかったことがあげられる。 (使用計画) 海外での学会の参加費と旅費に使用すること、英語論文の英文校正料と投稿費として使用することなどを計画している。
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