2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10317
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浦山 慎一 京都大学, 充実した健康長寿社会を築く総合医療開発リーダー育成リーディング大学院, 特定助教 (10270729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 崇士 京都大学, 充実した健康長寿社会を築く総合医療開発リーダー育成リーディング大学院, 特定助教 (10572224)
武田 和行 京都大学, 理学研究科, 准教授 (20379308)
松橋 眞生 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40456885)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 7T-MRI / シムコイル / 高インピーダンスコイル |
Outline of Annual Research Achievements |
7テスラMRI装置において、生体組織と空気との境界面で生じる不均一磁場は、B1不均一問題と並び、最大の問題である。本研究の目的は、我々が有する超薄型アクティブシムコイル開発技術を用いて、限られたボア内に、安価かつ有効性の高いインサート型シムコイルを開発・設置し、またその制御プログラムも合わせて開発、その有用性を評価することである。 シムコイルを用いて磁場均一性の向上を図るには、シムコイルを出来うるだけ被験者の近くに設置した方が効率が良い(電流値を低く抑えられる上に、より高次の磁場補正が可能となる)ことが知られている。そのため、当初の計画では、シムコイルの設置位置としてNova社製RF送信コイル内側としていたが、昨年度、送信コイルとシムコイルとの干渉が送受信コイルに悪影響を与えるリスクは避けられない、と言う結論に至り、内側への設置は見送ることになった。しかし本年度、別プロジェクトとしてニューヨーク大学のDr.Cloos等との共同研究が開始され、7T-MRI装置用RFコイルとして、自ら送受信用バードケージコイルを開発する機会を得た。このコイルは、Nova社製RF送信コイルと異なり構造が全て既知の上に、問題が生じても自ら安価に修理もしくは再制作可能であるため、再度計画を変更し、このRFコイルを用い、RFコイルとの干渉を最小限に抑える新しいタイプのシムコイルの開発を目指すこととした。 RF送信コイルとの干渉を抑制するために、現在までは並列共振回路をシムコイルに組み込んでいたが、まだ完全に抑え切れていなかった。そのため、ニューヨーク大学との共同研究で開発中の高インピーダンス受信コイルの技術をシムコイルに応用し、更にRF送信コイルとの干渉を最小化する発想を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度までの時点で、開発するシムコイルを従来型の球面調和関数をベースにしたものから非球面調和関数型マルチコイルシステムに変更したため、制御プログラムの開発が困難となり、遅れが生じていたが、本年度は更に、RF送信コイルとシムコイルとの干渉抑制を目指すための7T-MRI装置用RFコイル開発を行っていたため、更に遅れが生じた。そのため、研究期間も1年間延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、開発した7T-MRI装置用RF送信コイルを用いて、シムコイルとの干渉を抑制する手法の開発を試みる。またその手法を元に、非球面調和関数型マルチコイルシムシステムを開発する。 RF送信コイルとシムコイルとの干渉を抑制するため、昨年度まで使用していた並列共振回路に加え、ニューヨーク大学との共同研究により開発中の高インピーダンス受信コイル技術を用いた新しいタイプのシムコイルの開発を試みる。高インピーダンス受信コイルは、ループコイルに同軸ケーブルを用いる上に、“リバースド”プリアンプデカップリングと言う新しい技術を用いることにより、マルチコイルシステムにおける各コイルの独立性を高めることが出来る技術である。この高い独立性は、このコイルが送信コイルを含む他のコイルとの干渉が低いことを意味するため、本研究では、高インピーダンス受信コイルのこの特徴に注目し、この技術をシムコイルに応用することにより、送信コイルとの干渉が抑制出来るシムコイルの開発を試みる。 また開発したシムコイルを複数、円筒上に並べ非球面調和関数型マルチコイルシムシステムを開発、我々が自作した7T-MRI装置用RF送受信バードケージコイル内に設置した上で、評価する。
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Causes of Carryover |
本プロジェクトは、3年間で行う予定であったが、1年延長したため、4年目に使用する経費を残した。この経費は、最終年度に行う開発及び実験に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)