2016 Fiscal Year Research-status Report
MRI4次元フローとT1マップによるフォンタン循環エネルギー効率と線維化の解析
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16K10321
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
長尾 充展 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60533081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 誘三 九州大学, 大学病院, 医員 (00643347)
福島 賢慈 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50408613)
坂井 修二 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90225756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フォンタン循環 / シネMRI / 肝障害 / 血流解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
Fontan手術とは、機能心室が1つしかない先天性心奇形に対して体静脈を直接肺動脈へ流すことで、肺循環を心臓の駆出無しで行わせる術式である。単心室型心奇形の治療として確立されてきた。しかし術後長期間で中心静脈圧の上昇に起因する肝鬱血により、肝線維症や肝細胞癌などの肝合併症に関する報告が近年増加している。我々はFontan術後長期間で発症する肝障害とその原因となるうっ血がFontan循環(右房)の血行動態と関連すると仮説を立てた。そこでAtriopulmonary connection typeのFontan術後患者において拡張する右房の渦流を可視化、定量化する新たなvortex flow mapをシネMRI を開発し、肝障害発生との関連を検討した。36例のAtriopulmonary connection typeのFontan術後患者の検討では、肝障害のある患者群に有意に渦流減少がみられること、また渦流減少値から将来の肝障害が予測可能となることがわかった。 Vortex flow mapは通常のシネMRIを利用するため、汎用性が高く広く臨床利用可能である。また従来測定できなかった淀みや速度の遅い血流、渦流を可視化し、定量的に評価できる利点をもつ。 Fontan循環における右房内渦流は、肝臓から右房そして肺循環に向かう受動的流れの原動力と推測する。そのため渦流減少は、うっ血肝に関連する重要なサインであり、渦流減少は肝障害を予測するイメージングバイオマーカーとなり得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
汎用性の高いシネMRI を用いて従来解析が難しかった心腔内の渦流や淀みを解析するソフトウエアを開発した。ファンタン循環の右房内渦流と肝障害との関連の見出した点は臨床的意義が高く、概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
TCPC型フォンタン術後の患者においては、導管が細く4D flow MRIの解析が有用となると推測する。現在までの4D Flow MRIの解析患者は数名に留まっている。TCPC型手術のFontan経路の血行動態、フローエネルギーロスについて4D Flow MRIによる解析が必要と考えている。
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Causes of Carryover |
ソフトウエアの開発について、既存に設置してあるものを改良したのでソフトウエアの開発費用が予想より安価になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、4D flow MRIの開発費として使用予定。また成果発表、ソフトウエア開発調査として国際学会出席を予定しており、その費用として使用予定。
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Research Products
(2 results)