2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of energy loss and myocardial fibrosis in Fontan circulation using 4D flow and T1 mapping MRI
Project/Area Number |
16K10321
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
長尾 充展 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60533081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 誘三 九州大学, 医学研究院, 助教 (00643347)
福島 賢慈 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50408613) [Withdrawn]
坂井 修二 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90225756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フォンタン循環 / 心臓MRI / 肝線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
フォンタン手術は先天的単心室循環患者のQOLや生命予後を改善したが、他の先天性心疾患患者に比べ予期しない入院や死亡の頻度は依然として高い。その理由の一つが遠隔期に発症する肝線維化や肝硬変であるが、肝合併症の重症度は血液生化学検査と必ずしも相関せず、予測困難でそのマネージメントは未確立である。我々は通常の心臓シネMRI画像から右房内の渦流を可視化するVortex flow mapを開発し、フォンタン術後患者では右房内渦流が大きいほど肝合併症が少なく、渦流がなく血流停滞した患者に肝線維化が進行しやすくなることを見出した。本法が肝合併症の非侵襲的な予測法として有効であることを、国際学術誌に報告した(Cir J. 2018)。また、心拍動による受動的な肝変形を心臓シネMRIから解析し、肝ストレインという指標を考案した。肝ストレインは、フォンタン患者でファロー四徴症や正常者に比べ小さく、肝の弾性が低下することが示唆された。またフォンタン患者では、肝ストレインはMELDスコアなど肝線維化や肝機能重症度と関連を認めた。これらの結果は、国際MRI学会(ISMRM 2018)や日本医学放射線学会(JRS2019)で発表し、現在国際学会に投稿中である。 Fontan循環では、単心室機能不全による心不全、心室性不整脈の発生が予後を左右する。我々は心臓シネMRIとfeature tracking法を用いて、単心室の新たな機能指標となるglobal strainとdyssynchrony indexを考案した。これら2つの指標は、Fontan患者の心事故発生の予測において従来の心機能指標に比べ優れていることを見出した(J Cardiol 2018)。また心筋線維化の指標となるT1 mapを用いて、フォンタン患者の心筋線維化の重症度や局在を解析し、心事故予測の有効性について検討した(日本循環器病学会2019)。
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