2020 Fiscal Year Research-status Report
位相差強調画像法による脳内髄鞘イメージの解剖学的標準化とてんかん原性焦点の同定
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16K10325
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
坂本 真一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 登録医 (40464648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田 武弘 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70382116)
米田 哲也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)
三木 幸雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80303824)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PADRE |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性てんかん患者の大脳白質異常を画像化するために、手術目的で入院となった難治性てんかん術前患者に対して、臨床用高磁場MRI装置(Philips Achieva 3.0T Quasar Dual)を用いてMRI検査を施行し、通常の脳MRI(T1強調像、T2強調像、拡散強調像(DWI)、FLAIR、磁化率強調像)に加えて、位相差強調画像(phase difference enhanced imaging: PADRE)を撮像した。得られたPADRE raw dataに対して、ミエリン(髄鞘)をターゲットとする位相フィルタをかけることで、髄鞘を強調した画像(髄鞘強調画像)を取得した。また、術前検査として高次脳機能検査(MMSE, WAIS-Ⅲ、ベントン視覚記名検査、三宅式記銘力検査)および神経生理学的検査(electroencephalography: EEG, magnetoencephalography: MEG)も施行された。 手術(てんかん焦点切除)は研究分担者を含む当院脳神経外科てんかん部門の医師により施行された。手術により得られた脳の病理組織検査は附属病院病理部の病理医により施行された。 術後には、通常のMRI画像検査、および術前検査と同様に高次脳機能検査、神経生理学的検査(EEG, MEG)が施行された。 今年度は新型コロナウイルス感染症の流行に伴う通常医療の縮小に伴い、前半期は研究が実施できなかった。さらに9月以降に研究を再開したが、その後も入院患者の減少により予定していた難治性てんかん患者のdata収集数が不足した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は新型コロナウイルス感染症の流行に伴う通常医療の縮小に伴い、前半期は研究が実施できなかった。さらに9月以降に研究を再開したが、その後も入院患者の減少により予定していた難治性てんかん患者のdata収集数が不足した。健常群のdataについても可能な限り収集につとめたが、data収集量は不十分になった。蓄積されたdataからSPM (statistical parametric mapping)を用いた解剖学的に標準化された脳内ミエリン分布と患者群との検定を行ったが、現時点では予想させたような結果を導き出すことが出来ず、脳内の髄鞘化の異常部位の描出は出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
難治性てんかん患者のdataの蓄積を続行し、可能な限り多くのdata量を確保する。健常群についても可能な限りdata収集につとめる。dataを増やすことで、より安定した解剖学的に標準化された脳内ミエリン分布画像の作成を期待する。得られた患者群のdataに対して検定を行い、脳内の髄鞘化の異常部位の描出を試みる。手術、病理組織検査および術後検査は前年と同様に施行予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度については、学会発表および論文作成を次年度に繰り越したため、旅費・学会参加費、論文作成・投稿費用に不要分が生じました。 令和3年度には、画像解析のために新たにコンピュータを購入し、解析に必要なソフトウェアも購入する予定です。また、令和元年度に生じた不要分を使用した、学会発表および論文作成のための旅費・学会参加費、論文作成・投稿費用を要する予定です。
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