微細脳構造変化と脳機能障害に基づく認知症の高精細臨床的サブタイプ評価法の確立

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K10333
• Research Institution: National Center for Global Health and Medicine
• Principal Investigator: 野口 智幸 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 放射線診療部門 (40380448)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 村上 佳菜子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 放射線診断科医師 (10772080) [Withdrawn] ; 吉浦 敬 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40322747) ; 亀山 征史 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医師 (40773445) [Withdrawn] ; 志多 由孝 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 放射線科 医師 (50774668) ; 薬師寺 祐介 佐賀大学, 医学部, 講師 (80418813)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 認知症 / 人工知能 / 画像診断 / AINNAR / アイナ / CADDELAC / キャデラック / アルツハイマー

Outline of Annual Research Achievements

初年度に、自動画像解析に適合した撮影プロトコルの検証と基礎的データの蓄積として、ファントム実験系を製作し、様々な画像シーケンスを指向した。具体的には特殊拡散テンソル画像（NODDI）、3D-T1強調像（MPRAGE）、高精細T2強調冠状断像、FLAIR、SWI、非造影脳血流画像（ASL）、T2*強調像、のMRI撮影のパラメータ設定を行った。また撮影パラメータの調節と基礎的データの蓄積として、自動画像解析には高精度かつ3Dデータでの取得が必要である。各校精度コントラスト画像特有のパラメータ設定制限など様々な特質を考慮しながら行い、最終的に最適候補プロトコルを絞り込んだ。具体的には、3D-T1強調像（MPRAGE）を解剖学的画像とし、無名室測定として、2D-T2強聴画像診断、特殊拡散テンソル（NODDI）、非造影脳血流画像（ASL）を機軸プロトコルとし、バリエーションプロトコルとしてT2強調像、FLAIR、12軸拡散強調像（DWI）を組んだ。
次年度に健常例での基盤的プロトコルの模索として、健常例での基盤的プロトコルの確定をすべく、機軸プロトコル最適候補プロトコルとバリエーションプロトコルを撮影した。同時に撮影パラメータを変化させて測定値にどういった変化が見られるのか画像データを蓄積した。
また、最近の知見を取り入れるべく、人工知能（AI）放射線画像診断（AINNAR）研究を立ち上げた。AINNAR研究の試用実験として単純X線写真の分類、頭部MRI画像分類、並びに臨床実験として脳転移検出分類（キャデラック脳転移研究）を実行し良好な結果を得たため、学会発表した。
また臨床応用として、認知症のAI画像診断研究を計画し、倫理審査委員会の承認を得た。
最終年度である本年度では、AINNAR研究を推し進め、AI画像診断の有用性と限界を見極めるべく精力的に画像解析を進めていく予定である。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度に基礎実験として自動画像解析に適合した撮影プロトコルの検証と基礎的データの蓄積として、ファントム実験系を行い、撮影プロトコルを決定した。次年度には、健常例での基盤的プロトコルの模索として、撮影パラメータを変化させて測定値にどういった変化が見られるのか画像データを蓄積した。また、当初の計画を実行するだけでなく、最新の知見を取り入れるべく、最近の知見を取り入れるべく、人工知能（AI）放射線画像診断（AINNAR）研究を立ち上げた。未経験の研究領域ではあったものの、試用実験として単純X線写真の分類、画像実験として頭部MRI画像分類、並びに臨床応用実験として脳転移検出分類（キャデラック脳転移研究）を実行し良好な結果を得るとともに、認知症に対する高精細画像を用いた画像診断としてAINNARを応用するべくその技術的な基盤構築を果たすことができた。また、倫理的な側面として、認知症のAI画像診断研究を計画し、倫理審査委員会の承認を得た。すでに認知症を専門とする精神科臨床医の協力の下に、250例余のMRI画像および臨床診断を得ている。現在のところ画像解析を進めているところである。

Strategy for Future Research Activity

認知症およびそのサブタイプの分類、画像整理およびデータ固定を行っている。これを終了次第、AI画像診断での精度を測定していく予定である。
また、未知の診断精度を測定するに当って、取得した精度値が果たして妥当かどうかの検証を行う必要がある。これについて臨床研究センターの統計学専門家の協力を仰ぎ、基礎的な診断精度検証研究を行っている。
現在のところ、自助努力にてAI画像診断のプログラムを構築し、臨床画像を分類し、データ解析を行っている。しかしながら、ITの発展は日進月歩であり、個人の開発では限界がある。そこで、他の放射線科医団体との分業、画像解析を専門とする研究者との協同開発、産学連携による起業発展への行程の模索、あるいはコラボレーション提携の検証を行っている。
また、AINNARは本来放射線画像診断に対するAIの応用であることから、認知症のサブタイプ分類だけではなく、多数の画像診断関連事業につながる。そこで我々は、AINNARのサブ研究分野としてAI支援画像診断（ Computer-Assisted Diagnosis with Deep Learning Architectures；CADDELACS キャデラック） AI検像 （Verification of Radiological Images with Deep Learning Architectures ; VERI-DELACS ベリー・デラックス） AI放射線科レポーティング （Radiological Reporting with Deep Learning Architectures ; RARE-DELACS レア・デラックス） の3つの研究テーマの立ち上げに着手した。今後精力的に画像解析を推進していく予定である。

Causes of Carryover

（理由）研究分担者が担当する研究費の適正な使用用途としてその可否を厳正に査定した結果、予定していた金額よりも小額であったため。
（使用計画）研究費の適正な使用要綱を十分理解し、厳守するよう綿密な支出計画を立案し、研究課題を遂行する上での必要かつ充分な経費を使用し実施する。

Research Products

• [Journal Article] Total Small Vessel Disease Score in Neurologically Healthy Japanese Adults in the Kashima Scan Study (2018)
  • Author(s): Yakushiji Y, Charidimou A, Noguchi T, Nishihara M, Eriguchi M, Nanri Y, Kawaguchi A, Hirotsu T, Werring DJ, Hara H
  • Journal Title: Internal medicine (Tokyo, Japan) Volume: 57 Pages: 189-96
  • DOI: 10.2169/internalmedicine.8393-16
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Journal Article] Contribution of arterial spin-labelling MRI in a case with immune reconstitution inflammatory syndrome (2017)
  • Author(s): Wada N、Noguchi T、Aoki T、Tajima T
  • Journal Title: BMJ Case Reports Volume: 2017 Pages: bcr～2017-219860
  • DOI: 10.1136/bcr-2017-219860
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Minute Splenic Pseudoaneurysm Causing Hemorrhage within a Pancreatic Pseudocyst: The Utility of CT during Splenic Arteriography (2017)
  • Author(s): Ogawa Y、Tajima T、Shida Y、Kojima Y、Noguchi T、Okafuji T
  • Journal Title: Journal of Case Reports Volume: 7 Pages: 104～108
  • DOI: 10.17659/01.2017.0029
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Magnetic Resonance (MR) Imaging Assessment for Glossopharyngeal Neuralgia: Value of Three-Dimensional T2-Reversed MR Imaging (3D-T2R) in Conjunction with Other Modes of 3D MR Imaging (2017)
  • Author(s): Nishihara M、Noguchi T、Kawashima M、Azama S、Matsushima K、Irie H
  • Journal Title: Polish Journal of Radiology Volume: 82 Pages: 638～644
  • DOI: 10.12659/PJR.902896
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Journal Article] Percutaneous Vertebroplasty for Acute Osteoporotic Vertebral Fracture Contributes to Restoration of Ambulation (2017)
  • Author(s): Shida Y, Noguchi T, Okafuji T, Murakami K, Iraha T, Yokoyama K, Tajima T
  • Journal Title: Interventional Radiology Volume: 2 Pages: 74-78
  • DOI: 10.22575/interventionalradiology.2017-0005
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Presentation] 保存的治療により良好な経過を示した体幹部多発外傷合併の1例 (2018)
  • Author(s): 中武裕, 田嶋強, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 亀井俊佑, 堀田昌利, 横山幸太, 内山史也, 平石卓也, 比嘉大地
  • Organizer: 第52回救急放射線画像研究会in東京
• [Presentation] みんなで始めよう！画像診断deディープラーニング (2018)
  • Author(s): 野口智幸
  • Organizer: 第536回NR懇話会
  • Invited
• [Presentation] 放射線医学ニューラルネットワーク人工知能（AINNAR）： ResNetの脳転移検出能 (2018)
  • Author(s): 野口智幸, 河田悠介, 待鳥詔洋, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 亀井俊祐, 横山幸太, 内山史也, 南本亮吾, 田嶋強
  • Organizer: 第47回日本神経放射線学会
• [Presentation] 意識障害で発症した SjS 合併 NMOSD の一例 (2017)
  • Author(s): 横山幸太, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 村上佳菜子, 堀田昌利, 伊良波朝敬, 今村由美, 田嶋強
  • Organizer: 第281回関東MR画像研究会
• [Presentation] 腰椎圧迫骨折の新しい治療法（PVP） (2017)
  • Author(s): 野口智幸
  • Organizer: 第4回 病院市民公開講座骨粗しょう症と転倒予防
  • Invited
• [Presentation] 急性期骨粗鬆症性脊椎骨折に対する経皮的椎体形成術 (2017)
  • Author(s): 志賀研人, 野口智幸
  • Organizer: 平成28年度医科・歯科臨床研修医研修終了発表会
• [Presentation] Pancreatic duct-portal vein fistula related to pancreatitis: Imaging features and clinical presentation (2017)
  • Author(s): Tajima T, Shida Y, Noguchi T, Okafuji T, Murakami K, Hotta M, Iraha T, Yokoyama K, Imamura Y
  • Organizer: ECR 2017 European Congress of Radiology
  • Int'l Joint Research
• [Presentation] 骨粗鬆症性脊椎骨折に対する経皮的椎体形成術について (2017)
  • Author(s): 野口智幸
  • Organizer: 第3回 副都心膠原病カンファレンス
• [Presentation] 稀な Primary Neurolymphomatosis の１例 (2017)
  • Author(s): 横山幸太, 野口智幸, 今村由美, 伊良波朝敬, 堀田昌利, 岡藤孝史, 志多由孝, 強 田
  • Organizer: 第527回NR懇話会
• [Presentation] 急性期骨粗鬆症性脊椎骨折に対する経皮的椎体形成術は早期歩行回復に有効である (2017)
  • Author(s): 野口智幸
  • Organizer: 第9回SIRCHS研究会
• [Presentation] 側臥位PVPの検討 (2017)
  • Author(s): 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 横山幸太, 田嶋強
  • Organizer: 第9回脊椎IVRフォーラム
• [Presentation] 腹膜偽粘液腫に対する完全減量切除術および術中温熱化学療法：術後合併症とIVR (2017)
  • Author(s): 田嶋強, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 亀井俊祐, 横山幸太, 内山史也, 比嘉大地, 春日紀子, 中武裕, 矢野秀明
  • Organizer: 第490回東京アンギオ・IVR会
• [Presentation] まれな子宮内膜間質・平滑筋混合腫瘍 の1例 (2017)
  • Author(s): 中武裕, 田嶋強, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 亀井俊佑, 堀田昌利, 横山幸太, 内山史也, 春日紀子, 比嘉大地
  • Organizer: 第283回関東MR画像研究会
• [Presentation] 急性大量出血で発生した胃・十二指腸潰瘍に対する経皮的動脈塞栓術 (2017)
  • Author(s): 伊良波朝敬, 田嶋強, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 村上佳菜子, 横山幸太, 今村由美
  • Organizer: 第46回日本IVR学会総会
• [Presentation] 側臥位での経皮的椎体形成術の初期経験 (2017)
  • Author(s): 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 村上佳菜子, 伊良波朝敬, 横山幸太, 今村由美, 田嶋強
  • Organizer: 第46回日本IVR学会総会
• [Presentation] 尿漏を伴う術後遺残腎に対し塞栓術を施行した1例 (2017)
  • Author(s): 亀井俊佑, 中山智博, 花田清彦, 宋裕賢, 関成人, 中武裕, 春日紀子, 横山幸太, 比嘉大地, 内山史也, 堀田昌利, 岡藤孝史, 志多由孝, 野口智幸, 田嶋強
  • Organizer: 第451回日本医学放射線学会関東地方会
• [Presentation] pseudo-Meigs 症候群を呈した卵巣原発印環細胞癌の一例 (2017)
  • Author(s): 横山幸太, 田嶋強, 野口智幸, 岡藤孝史, 堀田昌利, 矢野哲, 猪狩亨
  • Organizer: 第31回日本腹部放射線学会
• [Presentation] 小脳梗塞を伴ったNF2の小児例 (2017)
  • Author(s): 比嘉大地, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 亀井俊祐, 横山幸太, 内山史也, 春日紀子, 中武裕, 田嶋強
  • Organizer: 第37回神経放射線ワークショップ
• [Presentation] 保存的治療により良好な経過を示した体幹部多発外傷合併の1例 (2017)
  • Author(s): 比嘉大地, 亀井俊佑, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 横山幸太, 内山史也, 春日紀子, 中武裕, 田嶋強
  • Organizer: 第49回救急放射線画像研究会in東京
• [Presentation] 多発瘻孔の詳細な評価により診断されたCrohn病の１例 (2017)
  • Author(s): 中武裕, 田嶋強, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 亀井俊佑, 堀田昌利, 横山幸太, 内山史也, 春日紀子, 比嘉大地
  • Organizer: 第75回百人町カンファレンス
• [Presentation] 脳動脈瘤治療後の多発異物肉芽腫症の１例 (2017)
  • Author(s): 横山幸太, 比嘉大地, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 亀井俊祐, 内山史也, 春日紀子, 中武裕, 田嶋強
  • Organizer: 第532回NR懇話会
• [Presentation] 若年にて発見された上縦隔肺葉外肺分画症とcongenital cystic adenomatoid malformationのまれな合併例 (2017)
  • Author(s): 比嘉大地, 志多由孝, 岡藤孝史, 野口智幸, 堀田昌利, 亀井俊佑, 横山幸太, 内山史也, 春日紀子, 中武裕, 田嶋強, 長阪智, 猪狩亨
  • Organizer: 第31回胸部放射線研究会
• [Presentation] S状結腸を内容物とする稀な右鼠径ヘルニアの一例 (2017)
  • Author(s): 中武裕, 田嶋強, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 亀井俊佑, 堀田昌利, 横山幸太, 内山史也, 春日紀子, 比嘉大地
  • Organizer: 第50回救急放射線画像研究会in東京
• [Presentation] 腹臥位困難な脊椎骨折患者に対し側臥位PVPでQOL改善が得られた一例 (2017)
  • Author(s): 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 亀井俊祐, 横山幸太, 内山史也, 比嘉大地, 中武裕, 田嶋強
  • Organizer: 第492回東京アンギオ・ＩＶＲ会
• [Presentation] 診断に苦慮した黄色肉芽腫性胆嚢炎の1例 (2017)
  • Author(s): 中武裕, 田嶋強, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 亀井俊佑, 堀田昌利, 横山幸太, 内山史也, 平石卓也, 比嘉大地
  • Organizer: 第379回東京レントゲンカンファレンス
• [Presentation] 保存的治療により良好な経過を示した体幹部多発外傷合併心破裂の1例 (2017)
  • Author(s): 比嘉大地, 亀井俊佑, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 横山幸太, 内山史也, 春日紀子, 中武裕, 田嶋強
  • Organizer: 第46回断層映像研究会
• [Presentation] 診断に苦慮したリンパ球性下垂体炎の1例 (2017)
  • Author(s): 比嘉大地, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 亀井俊佑, 横山幸太, 内山史也, 中武裕, 平石卓也, 田嶋強
  • Organizer: 第286回関東MR画像研究会
• [Presentation] ディープ・ラーニング（Deep Learning）の初期経験 ：あまりDeepでない話 (2017)
  • Author(s): 野口智幸
  • Organizer: 第1４回 低侵襲画像診断・治療研究会 セミナー
  • Invited
• [Presentation] HAART休止中に HIV関連視神経炎を発症した1例 (2017)
  • Author(s): 平石卓也, 野口智幸, 志多由孝, 岡藤孝史, 堀田昌利, 亀井俊佑, 横山幸太, 内山史也, 比嘉大地, 中武裕, 岡慎一, 田嶋強
  • Organizer: 第452回日本医学放射線学会関東地方会