2016 Fiscal Year Research-status Report
VX2肝腫瘍モデルにおける炭酸ガス併用選択的動注化学療法の効果の検討
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16K10349
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山口 雅人 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (10457096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上嶋 英介 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (40645561)
岡田 卓也 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80514786)
杉本 幸司 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (90314476)
祖父江 慶太郎 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (90622027)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 動脈内炭酸ガス注入 |
Outline of Annual Research Achievements |
VX2肝腫瘍モデルにおける炭酸ガス併用選択的動注化学療法の効果の検討 以前の実験に基づき経血管的な注入に至適な実験動物としてウサギを用いた。肝臓に腫瘍(VX2)を移植後3週目のウサギに対して静脈麻酔下に、肝動脈まで挿入したカテーテルより炭酸ガス飽和水を注入した。その他、対象群には生理食塩水、化学療法群にはシスプラチン、混合群にはシスプラチン+炭酸ガス飽和水を注入した。これらの4群に対して薬剤注入より3日目、7日目に造影CTを用いて腫瘍体積の計測を行った。7日目には安楽死させた上で肝腫瘍を採取した。標本では組織切片を用い、TUNEL染色にてDNAフラグメンテーションアッセイを行い病理学的に評価した。また腫瘍からタンパク質を抽出してcleaved caspase-3, caspase-9の抗体を用いてWestern Blottingにて分子生物学的にアポトーシスを評価した。 結果としては炭酸ガス投与群、混合群では腫瘍増大効果の抑制がみられ、またWestern Blottingにおいても炭酸ガス関連の2群ではアポトーシスの誘導が認められた。また混合群では化学療法群よりも高い腫瘍増大効果とアポトーシス誘導を認めた。これにより炭酸ガスの抗腫瘍効果およびシスプラチン増感作用が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験データを取得し、英語論文を作成中。 現在はJournal of International Oncologyに投稿中。
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Strategy for Future Research Activity |
炭酸ガス飽和水の臨床応用に向けて、最適な投与量、投与回数の検証に努める。また炭酸ガスによる低酸素改善が抗腫瘍効果に寄与していると考えられるため、PET-CTを用いた低酸素イメージングへの応用も検討する。
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Causes of Carryover |
VX2担癌ウサギに対する炭酸ガス肝動注療法についての治療効果の評価は、論文作成できるに十分なデータを取得できたため、実験が予定より早く終了した。そのため実験にかかる経費が予定より少なく済んだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
炭酸ガス投与の実験を継続して、投与量・回数を変更していき、今後の臨床応用の検証に努める。
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