2016 Fiscal Year Research-status Report
モンテカルロ法を用いた炭素線治療シミュレーションシステムの開発
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16K10385
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
遊佐 顕 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (40300743)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 炭素線治療 / モンテカルロ法 / 線量分布 / RBE |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では炭素線治療に関する粒子の挙動の物理学的特性をより精緻に考慮したモンテカルロ法を用いた高精度線量分布計算システムを開発している。これはGeant4を基盤としたPTSIMを改造して行っている。平成28年度は現状臨床で用いている生物学的効果を考慮した線量分布の計算を組み込むことを実施した。水中での比較検証の結果、治療計画装置による計算を再現していることが判った。但し、選択する核破砕反応モデルにより拡大ブラッグピークの終端付近の形状が変わることが判明した。終端付近での二次粒子発生プロセスの違い特に高LETの二次粒子のフルエンスが見えているものと推定している。 他方、シミュレーションと物理プロセスを実測と比較検証の結果、残余飛程や多重散乱に実測との差が多少あることが判った。粒子が通過する物質でのエネルギー損失するが、その計算モデルによる場合と、物質情報ををシミュレーションに組み込んでいない場合両方考えられる。今後も原因を引き続き調査を行う予定である。またその違いを強制的に補正する方法も考慮する必要がある、これは今後CT画像の中での計算を行う上で重要となる。 積層原体照射法のシミュレーション対応についても検討している、具体的には次年度以降作業を開始する予定である。CT画像を取り扱うことが予想されるので、後ろ向き臨床試験の申請も準備している。 上記内容の途中経過については2016年プラハで行われたPTCOGで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように残余飛程について実測との差が多少あることが判った。この検証をを行うためにマシンタイムをとり実測との比較をを行った。今後はこの違いを補正することも考慮する。
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Strategy for Future Research Activity |
積層原体照射機能の追加、CT画像での計算の妥当性評価、別のRBEモデルの取り込みを行う予定である。
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Causes of Carryover |
検証実験を行う予定であるが必要金額を考慮して次年度移行に回し、合算して行うほうが合理的と判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度予算と合わせてファントム実験を行う予定である。
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