2017 Fiscal Year Research-status Report
前立腺癌に対する超寡分割定位照射の確立に関する研究
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16K10391
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 修 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (30644778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅田 伊織 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10425431)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 体幹部定位照射 / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、低・中リスク前立腺癌に対する定位照射の至適線量分割を決定するとともに、安全性と有効性を評価することである。研究デザインは、前向き単群線量増加(第1相)試験および前向き単群安全性・有効性確認(第2相)試験である。本報告では、35Gy/5分割群の2年の治療成績を報告する。 【対象と方法】2014年8月-2015年6月に治療を行った25例。年齢中央値は70歳。NCCNによるリスク分類による低/中リスクがそれぞれ4/21例。T1c/2aが6/11例、T2b/cが1/7例。治療前PSA値の中央値は8.17 ng/ml,Gleason Scoreは6/7がそれぞれ7/18例であった。治療前のホルモン療法が7例に施行された。サイバーナイフによる連日5日間の超寡分割定位照射を行った。治療計画前に前立腺内に3-4個の放射線治療位置決め用の金属マーカーを留置した。前立腺および周囲の3mm(背側のみ1mm)をCTVとし、PTVマージンを2mmとした。PTV D95に35Gy/5分割の照射を行った。 【結果】治療期間中に大きな障害を認めなかった。急性期障害として、尿路症状ではG2を5例、G1を15例、腸管症状ではG2を0例、G1を9例に認めた。2年晩期有害事象(CTCAE v4.0)は、尿路症状ではG2を2例、G1を6例、腸管症状ではG2を0例、G1を1例に認めた。1例でnadir+2.0 ng/mlを超えるPSA上昇を認めたが、各画像検査で明らかな再発所見を認めず、無治療で経過観察中である。他の全例でPSA値の良好な制御が得られた。 【結語】35Gy/5分割を用いた前立腺癌に対する定位照射は安全に施行可能であり、PSA値の制御も短期において良好であった。引き続き長期の経過観察を行い、残る臨床試験の37.5Gy, 40Gy/5分割の線量増加治療群の結果もあわせて報告していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
症例集積に遅れが生じており、最低2年の経過観察期間終了は研究期間内に達成できない状況となった。これまで第2群37.5Gy/5frの治療群が2018年6月で最低観察期間2年となり、評価可能となる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き40Gy/5fr群の経過観察を継続して安全性について確認し報告を行う。 これまで低・中リスクを対象として治療を行っているが、線量増加については高リスク前立腺癌症例においても有用性が期待できるため、今後の方向としては高リスク群を対象とした有効性についても検討を考えている。
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Causes of Carryover |
途中経過を論文報告として準備中であり、英文校正・投稿費用として準備していたものと、次年度に海外学会発表を計画しており、そちらの旅費に充てるため。
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Research Products
(2 results)