2017 Fiscal Year Research-status Report
ポリアミン代謝に着目した子宮頸癌癌幹細胞の放射線抵抗性機序の解明
Project/Area Number |
16K10393
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
礒橋 文明 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00448036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬尾 雄二 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00302000)
玉利 慶介 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30718995)
小川 和彦 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40253984)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線科学 / 放射線腫瘍学 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線や抗癌剤に抵抗性をもち、かつ造腫瘍性をもつ、癌細胞のうちの小集団「癌幹細胞」を撲滅する方法は癌治療に有効であると考えられる。しかしながら現在のところ癌幹細胞を標的とした有効な治療法は確立されていない。我々の研究グループではこれまでに子 宮頸癌の癌幹細胞を同定し、それが放射線耐性をもつことを報告している。さらに我々は癌幹細胞と非癌幹細胞を比較するとポリアミ ン代謝に違いがあることを今回我々は突き止めている。本研究では、癌幹細胞と非癌幹細胞におけるポリアミン代謝の違いが、どのよ うに癌幹細胞が治療抵抗性を発揮するのかを明らかにし、このポリアミン代謝関連分子を標的とした革新的な放射線増感剤の創薬を目 指すことを目的としている。平成28年度にポリアミン代謝の癌幹細胞における役割の解明と放射線抵抗性への寄与を明らかにし、平成29年度以降にはポリアミン代謝阻害が癌幹細胞や放射線抵抗性へどのように影響するかを明らかにすることを目標としている。今年度は前年度にODCの強制発現株の作成に難渋したため、逆にODCのノックダウンをして、細胞の放射線感受性が変化するかを調べたいと考えたが、ODCの発現をノックダウンすることはとても細胞毒性が強く、これについても難渋することとなった。他には癌幹細胞と非癌幹細胞についてのマイクロアレイを用いた遺伝子発現の違いを確認し、いくつかの癌幹細胞特有の遺伝子に注目することにした。また、別に放射線耐性株と元の親株のマイクロアレイを用いた遺伝子発現の違いを確認するための外注検査に提出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初はODCの発現の上昇、低下が放射線耐性に関わると予想していたが、細胞株を用いてODCの恒常的な遺伝子発現制御をすることがとても難しかった。現在は方針を変えて、マイクロアレイを用いた癌幹細胞と放射線耐性に共通したメカニズムを解明することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は癌幹細胞と放射線耐性細胞株に共通した遺伝子の動きを解析し、ポリアミン代謝との関連について深く調べていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
実験が予定通りに進まず、予定していた消耗品の購入を来年度に延期することが適切と判断した。癌幹細胞と放射線耐性細胞の遺伝子発現をマイクロアレイ解析で分析し、ポリアミン代謝関連酵素等の過剰発現実験やノックダウン実験を予定している。このため、次年度に試薬の消耗品費を多く計上した方が研究がスムーズにいくと考えた。
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