2018 Fiscal Year Research-status Report
肺腫瘍に対する体幹部定位放射線治療後放射線肺臓炎予防に対するクラリスの有効性検証
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16K10403
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
武田 篤也 東海大学, 医学部, 客員教授 (80296699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 洋平 東海大学, 医学部, 客員講師 (10468473)
秋庭 健志 東海大学, 医学部, 講師 (40276845)
国枝 悦夫 東海大学, 医学部, 教授 (70170008)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | クラリスロマイシン / 放射線肺臓炎予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
早期肺癌に対する体幹部定位放射線治療は、手術適応外患者に対する標準治療法とされている。手術ハイリスク患者においても同等の生存率が報告されており)、今後さらなる適応拡大が期待される。しかし致死的有害事象も生じており、多くは放射線肺臓炎が原因となっている。 クラリスロマイシンの少量長期療法は、多くの上気道・下気道の慢性炎症病態の治療に用いられており、その作用機序は炎症性サイトカインの産生抑制作用などの抗菌力以外の作用によると考えられている。クラリスロマシンの放射性肺炎の発症予防効果が期待される一方で、実臨床においてはクラリスロマイシンが放射線肺臓炎予防に効果的であるかを示すエビデンスは不十分であるであるため本研究を企画した。 今年度は、特に、後方視的にクラリスロマイシンが放射線肺臓炎予防に有効であることを調査し論文として発表した。大船中央病院では2014 年より放射線肺臓炎のリスクが高いと予想される患者に対し5-,10分割 40-60 Gy の体幹部定位放射線治療中より3 ヶ月間好中球性炎症性気道疾患予防の病名にてクラリスロマイシンを服用させる方針とした。6ヶ月以上の経過観察が可能であった患者を解析し、それ以前と非投与期間の群と結果比較した。結果からは特にハイリスク群では(grade 3以上, 7.2% vs. 0%, P=0.011; grade 2以上, 21% vs. 9.6%, P=0.061と有害事象の軽減が可能であり、クラリスロマイシンに放射線肺臓炎の予防効果が期待できるとされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間中、臨床研究の実施の手続、認定臨床研究審査委員会による審査意見業務の適切な実施のための措置、臨床研究に関する資金等の提供に関する情報の公表の制度等を定める「臨床研究法」が平成29年4月14日に公布され、平成30年4月1日に施行された。本研究は薬剤の適応外使用となり法律の定める、特定臨床研究に該当するためこの対応に手間取り、前向き試験の推進に支障が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
特定臨床研究として前向き試験をおこなうためにはモニタリングなどの体制と費用が足りず、多大なる研究体制の見直しが求められている。現在主たる研究実施機関である東海大学には特定臨床研究対応の倫理委員会が設置されていない。今後設置の予定であるので有効に活用することを検討している。また追加の研究費の獲得を目指す。
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Causes of Carryover |
前向き試験の実施のために費用を計上してきたが、特定臨床研究に該当することになったため、進行が遅れている。その為前向き試験のためのための費用が使用される使用される残っている。次年度に追加の研究費を獲得できるか否かによって変わってくるが、本研究の最終年度には今後の特定臨床研究に該当する臨床試験実施に向け、これまでの後願的研究とのつなぎわたしのための研究に関連して適切な使用方法を検討する。データベースの整備などに向けた費用をも検討する。
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Research Products
(4 results)