2019 Fiscal Year Research-status Report
肺腫瘍に対する体幹部定位放射線治療後放射線肺臓炎予防に対するクラリスの有効性検証
Project/Area Number |
16K10403
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
武田 篤也 東海大学, 医学部, 客員教授 (80296699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥 洋平 東海大学, 医学部, 客員講師 (10468473)
秋庭 健志 東海大学, 医学部, 講師 (40276845)
国枝 悦夫 東海大学, 医学部, 特任教授 (70170008)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 肺臓炎 / クラリス |
Outline of Annual Research Achievements |
早期肺癌に対する体幹部定位放射線治療は、手術適応外患者に対する標準治療法とされている。手術ハイリスク患者においても同等の生存率が報告されており、今後さらなる適応拡大が期待される。しかし2014年体幹部定位放射線治療の実態調査アンケートによれば、致死的有害事象は53例に生じており、そのうち42例は放射線肺臓炎が原因となっている。そのため体幹部定位放射線治療における放射線肺臓炎の予防は重要な課題である。 本研究では既に治療成績の蓄積されている体幹部定位放射線治療患者におけるクラリスロマイシン服用例と非服用例における放射線肺臓炎の頻度、重症度を後方視的に比較し、クラリスロマイシンが放射線肺臓炎の予防薬として有望であるかを解析した。クラリスロマイシン服用患者と非服用患者の体幹部定位放射線治療を受けた時期が異なるというバイアスは払拭できないが、後方視的研究として、良質なデータが蓄積されている。その結果、既に解析を行った結果、肺臓炎予防へのクラリスロマイシンの有効性が示唆されている。また、症例のデータベースは日々更新されている。関連する本年度の発行英文論文は6篇である。他にも関連して多くの成果が達成されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の一部をしめる、前向き研究は厳密な臨床試験としておこなう予定であった。しかし、本助成による研究期間中「臨床研究法」が施行された。それにおいて本研究は他疾患にて安全性の確認されているクラリスを使用するが、薬剤の適応外使用となり法律の定める、特定臨床研究に該当するためこの対応に手間取り前向き試験の推進に支障が出ていたが、その影響が今年度まで続いている。すなわち、前向き試験実施は最終的に断念し、後方視研究を推進するため、より症例数を増加し、詳細な統計的比較を優先し、現在東海大学の肺臓炎症例を再度見直している段階である。手間取っており、昨年度中に終了しなかった。アルバイトを使いながら調査を進めている。このため学生数名を雇用し、長期に渡る肺臓炎出現の調査を可能な限り進めている。しかし、中国から発生したCOVID-19の影響がおよび、遅延し更には感染予防のため登校が強く抑制されている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の影響その他ため予定していたよりさらに研究進行の遅延が増している。しかし、2020年度はCOVID-19収束後に早急に研究をまとめ、成果を発表するつもりである。東海大学の肺臓炎症例を再度見直し、アルバイト学生数名を雇用し、長期に渡る肺臓炎出現の調査を進める。情勢が可能となれば、今後のために、クラリスロマイシンの有効性を検証するために適正な前向き試験のstudy designを検討する。ランダム化した第3相試験を想定している。適正症例数を計算し、多施設共同試験の参加施設を募集する。倫理上の問題は試験デザインの段階で検討し、東海大学および大船中央病院の倫理委員会の審査を受ける。共同試験の参加施設は自施設の倫理委員会審査後に参加する。研究の公正性、データの取り扱い方法については大学および施設の臨床試験担当部門の検証をうける。また統計解析、臨床試験管理について外部機関に委託を検討する。前向き試験参加施設は厳選し数施設とする。必要に応じて他研究費獲得を検討する。
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Causes of Carryover |
研究期間中「臨床研究法」が施行された。本研究は薬剤の適応外使用となり法律の定める、特定臨床研究に該当するためこの対応に手間取り前向き試験の推進に支障が出ていたが、その影響が今年度まで続いている。前向き試験実施から、より症例数を増加し、詳細な統計的比較を優先し、現在東海大学の肺臓炎症例を再度見直している。アルバイトを使いながら調査を進めているが手間取っており2019年度中には終了しなかった。また、2019年12月頃より発生しているCOVID-19の蔓延化により、大学での研究者、学生の作業が一部困難になり、学生は自宅待機となり登校を禁止されている。また研究者も大学における研究業務が十分に遂行できていないなど、研究の効率が低下している。そのため本研究に関わる作業が進行していない。また、学生雇用の人件費等は若干の余剰が生じた。2020年度に予算を持ち越し、COVID-19の流行がある程度まで収まってから予定の作業を速やかに再開、終了する予定である。
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Research Products
(5 results)