2018 Fiscal Year Research-status Report
唾液メタボローム解析を用いた放射線感受性予測法の確立
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16K10404
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
徳植 公一 東京医科大学, 医学部, 特任教授 (00334061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 唾液メタボローム / 非小細胞肺癌 / 放射線感受性 / 放射線障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床的に同一の組織、進行度であっても腫瘍の放射線治療に対する感受性は様々であり、その背景にある正常組織の反応も様々である。腫瘍に対する放射線線量を上げればそれに比例して正常組織に対する線量も増加するため、必要な線量を症例毎に設定することが望ましい。しかし、現状は個別データの指標がないために腫瘍の組織、進行度から投与線量を設定しているのが現状である。本研究は、患者の個体差に応じた放射線治療計画を立てることを目指して、放射線治療の感受性を予測するためのバイオマーカーを探索することを目的とした。研究の対象は、当院で症例が多い非小細胞肺癌の根治を目指した照射を行っている、臨床病期I期と局所進行癌とした。唾液の取得は治療前、治療中に当たる照射開始から2週間後、3ヶ月後、1年後とした。この唾液検体から得られる500種にのぼるメタボロームの変化を網羅的にモニタリングして、治療前に効果を予測できるバイオマーカーを探索しようとするものである。データのばらつきを減らし、比較可能性を高めるために、ディープフリーザーで検体を保存し、50近くの検体がたまった段階で一括してキャピラリー電気泳動・質量分析装置にて測定している。現在は最後の検体を測定している段階である。臨床データとしては、生存期間などの臨床成績、局所制御などの放射線治療を行った局所の反応に加え、局所の有害事象とその有害事象の広がりについてのデータを取得している。この研究は経時的な唾液の採取 のみで可能であり、患者負担は少なく、安全に施行できる研究である。本研究が進めば、疾患を肺癌以外にも広げ、検体も血液、尿にも広げていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データの取得に時間がかかったため
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Strategy for Future Research Activity |
この1年で必要なデータを取得し、学会発表および論文投稿する。
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Causes of Carryover |
データの取得に予定以上の時間がかかり研究をまとめに入る時期が遅れたため、次年度に現在測定している検体の費用、成果を学会発表、論文投稿するための費用を予定している。
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