2019 Fiscal Year Annual Research Report
Prediction of radiosensitivity with salivary metabolomes
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16K10404
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
徳植 公一 東京医科大学, 医学部, 特任教授 (00334061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メタボローム / 唾液 / 肺癌 / 放射線肺臓炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線肺臓炎は重篤な合併症に発展しうる病態であり、放射線治療前に発症の危険性を予測することが有用である。放射線肺臓炎の予測因子として治療側の因子のほか喫煙歴、間質性肺炎の存在が知られているが、個別化因子についてはあまり知られていない。唾液は非侵襲的に簡易に反復採取が可能であり、多くの代謝産物を含んでいる。そこで、個別化した独立した予測因子の開発を目的として唾液メタボロームの有効性を検討した。 対象は、2016年9月より2019年12月までに東京医科大学病院において非小細胞肺癌に対して放射線治療を施行した62人(男47、女15)、年齢中央値は75歳であった。放射線の投与線量中央値は66Gyであった。放射線治療前、治療開始後2週間、治療終了時、治療開始後3ヶ月、治療開始後1年時点で唾液の採取を行った。検体は検体間のばらつきを最小化する目的で50近くの検体を同時にキャピラリー電気泳動・質量分析装置にて測定した。代謝産物の測定には液体クロ マトグラフィー質量分析装置を使用した。解析は、代謝物データの変化の類似性から、各患者の反応性のパターンを抽出(クラスタリング解析)し、それぞれのクラスター間(放射線肺臓炎の発生有無)で有意差を示す代謝産物を検索した。放射線肺臓炎は経過観察CTで線維化が認められ、呼吸器症状が出現し、酸素、ステロイド加療がなされた症例と定義した。 結果として放射線肺臓炎は62例のうち11例(17.7%)に発生した。2019年7月時点で13例の死亡が認められ、原病死が7例、放射線肺臓炎死は3例、その他が3例であった。放射線発生は治療開始から2-6か月の間に生じ、中央値が3カ月であった。放射線治療前の500種類の唾液メタボロームの中から3種類のメタボロームが放射線肺臓炎予測因子として同定された。代謝産物の測定により放射線肺臓炎発生の危険性の有無が予測しうる可能性が示された。
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Research Products
(4 results)