2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10406
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
西村 恭昌 近畿大学, 医学部, 教授 (00218207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 一樹 近畿大学, 医学部, 講師 (10511016)
門前 一 近畿大学, 医学部, 准教授 (10611593)
建部 仁志 近畿大学, 医学部附属病院, 助教 (40642898) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 適応放射線治療 / 治療室内CT / 非剛体変形 / IMRT |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年度に行った適応放射線治療(ART)の介入時期を示す指標を明らかにする後ろ向き臨床研究によって、体輪郭面積に5%以上の変化が生じている際は脊髄線量が許容値を超える可能性があり、再計画の必要性があることが分かった。本研究の問題点として、治療室内CTは頭尾側で15㎝程度しか評価出来ないため、標的体積やリスク臓器全体の線量や体積変化が評価出来なかった。2017年度は、これを改善すべく、撮影範囲を30㎝程度の評価を行うことが出来るMulti scan CBCT機能を用いた前向き臨床試験を行うこととした。臨床研究事前審査委員会でプロトコールの修正が行われ、最終的に2017年11月29日に倫理委員会で承認された。2018年3月末時点で4例登録されている。全30例の予定であり、今後6ヵ月程度での登録完了を予定している。 ARTを実施するには再治療計画が必須であり、かなりの時間と熟練が必要となる。人工知能を利用したknowledge-based planning (KBP)は、これらの問題の解決策の一つである。前立腺癌に対して、一度の最適化で作成されたKBPの治療計画と実際に照射された治療計画(clinical plan: CP)との比較検証を行った。標的体積に関しては、KBPの方がCPよりも均一性が高く、優れていた。一方、リスク臓器に対する線量は、CPとKBPで同等であった。IMRTでは、多段絞り(MLC)などの機器動作が複雑であるため、治療計画と実際の線量分布の誤差を評価する必要がある。治療計画と実測の線量分布の誤差の指標の一つであるγ解析のパス率(3%/3 mm)では、CPが99.0%、KBPが99.1%と同等であった。前立腺癌に対するIMRTでは、KBPは一度の最適化で、質が高く、物理的に照射可能な治療計画を提供できることが明らかになった。本研究は、現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度に行った後ろ向き研究の結果を基に、2017年度は適応放射線治療(ART)の介入時期を明らかにする前向き臨床試験が開始され、症例登録も順調に進んでいる。ARTに必要な人工知能を利用したknowledge-based planning (KBP)の臨床適応可能性についても、比較的治療計画が簡単な前立腺癌ではその妥当性を明らかに出来た。次年度はより治療計画が難しい頭頸部癌に対しても検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Multi scan CBCT機能を用いた適応放射線治療(ART)の介入時期を明らかにする前向き臨床試験を完了させる。症例登録は順調に進んでいる。また、前立腺癌よりは複雑な治療計画である頭頸部癌に対するIMRTにおいて、KBPシステムが臨床応用できるかを明らかにする。これも後ろ向き研究ですでに必要なデータはそろっている。
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Causes of Carryover |
論文掲載の費用、学会出張の旅費などが予定より少なくなった。次年度にこれらの経費を繰り越し、使用する予定。
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Research Products
(10 results)