2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Goldnanoparticle Radiosensitizer for Advanced Radiotherapy
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16K10413
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三澤 雅樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (60358083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 拓 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (10712648)
松本 孔貴 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70510395)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金ナノ粒子 / 放射線治療 / 増感剤 / 活性酸素 / 抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平均サイズ5nmと26nmの金ナノ粒子を合成し、腫瘍細胞内に取り込ませた後に、陽子線およびX線照射して電子を発生させ、媒質中の酸素を励起して活性酸素を発生させる放射線増感剤の開発を行った。生理環境下での凝集を防ぎ、標的指向性を持たせるため、リポソームに抗EGFR抗体を接合したキャリアに金ナノ粒子を内包させた金ナノ粒子複合体を調整した。これをHeLa(ヒト子宮頸がん)およびNB1RGB(ヒト繊維芽細胞)に投与し、細胞集積性を確認した。その後、放射線照射して細胞生存率を測定するとともに、金ナノ粒子存在下での細胞膜損傷と核損傷を示す脂質過酸化とAPサイト数を評価した。 その結果、26nm金ナノ粒子複合体から、対照群の数倍の活性酸素発生を認めた。また、エンドソーム内の金ナノ粒子が細胞質内に拡散し、核近傍と一部核内に移行することを確認した。10MVの治療用X線照射下で、細胞膜に過酸化脂質を生成するとともに、DNAに多くのAPsiteを形成したことから、放射線増感が示唆された。 In vitroでの増感効果と細胞取り込みが確認できたことをうけて、動物モデルでAuNPの腫瘍集積を増強するin vivo用金ナノ粒子を設計し、B16メラノーマ担がんマウスおよびEGFR過剰発現のA431ヒト類表皮がん担がんマウスに、濃度36mg/mLおよび15mg/mL の5nmおよび26nm金ナノ粒子増感剤を尾静脈投与した。48時間後に腫瘍集積を確認した時点で40MeV、0.6Gy/min.の陽子線を20~25Gyまで照射し、照射後30日間腫瘍サイズを測定したところ、5nm投与群でより顕著に抗腫瘍効果が確認された。また、局所投与した群では、投与量の約70%が臓器蓄積し、肝臓と腫瘍で高い集積が見られたことから、金ナノ粒子の腫瘍蓄積が増感に寄与したと推察される。
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Research Products
(6 results)