2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10422
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
三田 篤義 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (60419398)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 吉彦 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (50345732)
増田 雄一 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (60467149)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 膵島移植 / ヒト / β細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016/5/17 再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく第1種再生医療等として厚生労働大臣の承認を獲得し、当施設にてヒト膵島移植を施行する事が可能となった。 ヒト膵臓から膵島を分離する際に必要な酵素コラゲナーゼや比重溶液等を研究費で購入して、ヒト膵島分離の体制を整えた。ヒト膵島分離を行うCell processing center (CPC)と同等の設備を擁した研究室でブタ膵臓からの膵島分離を引き続き行い、SOP手順のチェック、分離技術の保持・向上に努めている。さらに、本邦で最も多くのヒト膵島分離経験のある琉球大学野口洋文教授を訪れ、ブタ膵島分離を見学して技術面の向上を図っている。 患者登録について、膵島移植外来に12名の受診患者があり、インフォームドコンセントを行なって、うち1名が膵島移植を希望した。検査入院を行い、学内、および日本膵・膵島移植研究会の適応評価委員会の検討を経て、2017年1月に膵島移植適応ありと判断されてレシピエント登録となった。現在、膵島移植待機中である。膵島移植を受けた時点で、本研究の対象患者として症例登録となる予定である。 ブタ膵島を用いたβ細胞viability測定を行い、測定に必要なフローサイトメトリーの設定を調整した。さらに、膵島細胞を低酸素状態で培養し、β細胞viabilityの低下を確認することで、測定の有用性を再確認した。 併せてブタ膵島細胞中のβ細胞含有率測定を行って、測定条件を確認した。手動で細胞数をカウントするので、短時間で正確な測定を行うため、また、再現性の確保のためソフトウェアの活用が有用であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
科研費により薬剤等を揃えることができ、研究の体制が整って、膵島移植候補者を募集し、1名のレシピエント登録にこぎ着けた。 しかし、患者登録がまだ1例に留まっているため、β細胞viabilityやβ細胞含有率の測定は、ブタ膵島細胞を用いて行っている。膵島分離や膵島保存における温度管理の有効性などについての実験で評価法として採用し、測定を重ねている。
|
Strategy for Future Research Activity |
症例数が当初の想定通りには集まっていないため、病院広報を用いた情報発信や、これまでに膵島移植外来を受診した患者への再説明などを対策として行なっていく。 それでも症例の蓄積に時間を要するならば、海外からの実験用のヒト膵島細胞を購入し、代用して糖尿病ヌードマウスへの膵島移植モデルと組み合わせて実験することも選択肢の一つである。 動物の膵臓や膵島を用いた実験を継続し、基礎データの集積を進めていく。特にβ細胞viabilityやβ細胞含有率の測定をより短時間に行えるよう、手技の改善を進めていく。
|
Causes of Carryover |
初年度は計画の遅れから当該年度中に行えなかった実験があったため、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は平成29年度請求額と合わせて消耗品費として使用する予定である。
|