2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of surgical stapler made by bio-absorbable Mg alloy
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16K10426
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福本 巧 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70379402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 俊彦 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (00714669)
具 英成 神戸大学, 医学研究科, 名誉教授 (40195615)
荒井 啓輔 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (70761261)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 / 吸収性 / 自動吻合機 |
Outline of Annual Research Achievements |
腹腔鏡や胸腔鏡手術の増加に伴い、肺切除や消化管の吻合、大血管の閉鎖には自動縫合器が用いられることが多くなっている。現在、自動縫合器に装着されているステープルにはチタン合金が用いられているが永久に体内に遺残し、感染の原因や画像診断の妨げとなるなどの問題を有している。本研究では、自動縫合器に搭載可能な生体吸収性新規マグネシウム合金を用いたステープルを開発することでこれらの課題を解決し、日本発の新医療機器の開発を目指す。 現在開発が進んでいるマグネシウム合金による吸収性血管および胆管閉鎖用クリップとマグネシウム合金による自動縫合器用の吸収性ステープルは素材の加圧、変形により組織の締結力を発生させる点では同一であるが必要とされる特性にいつくかの相違がある。まずステープルとクリップではその初期形状および打ち込み前後の形状変化が異なるので当然異なった力学的特性が必要になる。次にステープルでは消化管および血管を貫ける強度が必要となる。最後にステープルは消化液が内部に存在する消化管を貫通する場合があるので腐食性が変化する可能性がある。ステープルの開発にあったてはこれらの検証が必要となる。本年度はステープルに使用可能なマグネシウム合金を熱間押出しにより結晶組織を微細化するとともに結晶方位分布を制御することで作成した。この素材は圧縮試験を行い、所定のひずみまで加工可能であることを確認した。さらにこのステープルを実際の動物実験で検証する際に必要な打ち込み機の試作を開始した。また臨床試験に向けてGLP基準に沿ってマグネシウム合金の毒性試験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合金の作成と成形性の確認を終了し、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は小動物の実験により実際の消化管や血管に打ち込み吸収性マグネシウムステープルの生体適合性、力学的特性、化学的的特性を検証する。さらに実際に自動吻合機に搭載し、大動物による消化管の吻合実験を行う。並行して特許を取得し、臨床試験の準備を進める。
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Causes of Carryover |
小動物による打ち込み実験の開始が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
小動物による打ち込み実験を次年度に繰り越し実施する。
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