2016 Fiscal Year Research-status Report
膵島移植における肝臓内免疫感作の解明と制御法の開発
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16K10427
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石山 宏平 広島大学, 病院(医), 病院助教 (50437589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵島移植 / 1型糖尿病 / 免疫学 / NK細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に計画していた研究課題は、「膵島移植における肝臓内NK細胞活性化とメモリー機能獲得メカニズムの証明」と「肝臓内NK細胞活性抑制に寄与する作用メカニズムの証明」であった。 膵島移植後に肝臓内NK細胞の膵島に対する細胞傷害活性が増強するメカニズムとして、移植後急性期の膵島傷害に関わるIBMIRとの関連について検討を行った。IBMIRに関わる主要サイトカイン存在下に肝臓内NK細胞をin vitroで培養すると同時に、膵島移植後急性期の肝臓内NK細胞活性についてin vivoで検討を行ったところ、肝臓内NK細胞活性化メカニズムにTNFαを主体とするIBMIR環境が関与していることが確認できた。 次に、肝臓内在住NK細胞がIBMIR環境下で活性化することで膵島グラフト生着が妨げられ、活性化が持続するために再移植時の膵島傷害の要因となり得ることが示唆され、膵島移植後の肝臓内在住NK細胞のメモリー機構の獲得メカニズムを解明することで移植効率向上に貢献できると考え、膵島移植後35日までの肝臓内在住NK細胞のphenotype変化を検証したところ、肝臓内NK細胞数の更なる増加、肝臓内NK細胞の活性化増強が確認できた。 次に、膵島移植後に生じる肝臓内免疫応答活性を制御するための手段として、PGE2(prostaglandin E2)やTGF(Transforming Growth Factor)-βなどの生理活性物質による細胞傷害活性抑制効果を有する間葉系幹細胞(MSCs)に注目した。in vivoにおいて、膵島移植時にMSCsを同時投与したところ肝臓内 NK細胞のCD69、TRAIL表出抑制効果が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に研究は進み、29年度に行う予定の膵島移植後の血糖改善効果にMSCsが寄与する可能性についても順調に成果が得られると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
適宜、研究結果を慎重に判断し、方向性の確認を行っていく予定である。
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