2018 Fiscal Year Annual Research Report
Breast cancer microenvironment control targeting clock gene and its clinical application
Project/Area Number |
16K10448
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
諸橋 聡子 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (90569592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 雲燕 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40636586)
鬼島 宏 弘前大学, 医学研究科, 教授 (90204859)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / 乳癌 / 微小環境 / TGFβ / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子DECは、哺乳動物の概日リズム、分化、アポトーシス、低酸素に対する応答のみならず、上皮間葉転換(EMT)の調節に関与する重要な転写因子として機能している。TGFβシグナルの活性化は、ヒト癌細胞においてEMTを促進することが知られている。しかしながら、癌の増殖・進展において、TGFβ誘導EMTに関わる時計遺伝子DECの役割はいまだ十分に解明されていない。 今回の研究で我々は、ヒト癌細胞株において、TGFβがDEC1の転写/翻訳レベルを増加させ、DEC2の転写/翻訳を減少させることを示した。さらに、TGFβはSmad2のリン酸化シグナルを誘発し、続いてEカドヘリン(細胞接着因子)などの上皮マーカーを抑制し、Nカドヘリン(細胞接着因子)およびビメンチン(細胞骨格物質)などの間葉系マーカーの活性化が惹起されることを証明した。ヒト癌細胞株において、TGFβによる細胞形態変化と細胞運動性は、siRNA法でDEC1をノックダウンすることで抑制された。一方、siRNA法でDEC2をノックダウンするとヒト癌細胞株は、DEC1をノックダウンした場合と比べ、EMT関連マーカーにおいて逆の発現パターンを示した。DEC1およびDEC2が、ヒト癌細胞においてTGFβ誘導EMTに対して相補的な役割を担っていることが示された。 今回の研究では、培養細胞レベルで一定の成果が得られた一方で、マウスを用いた個体レベルでの成果が十分でなく、臨床応用に向けた研究は今後の継続課題としたい。
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Research Products
(6 results)