2018 Fiscal Year Annual Research Report
Induction of solid tumor growth inhibition induced by a differentiation inducer cotylenin A and molecular target agents and its molecular mechanism
Project/Area Number |
16K10459
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
粕壁 隆 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 特任教授 (50152658)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癌 / 薬剤反応 / 活性酸素 / フェロトーシス / アポトーシス / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは白血病細胞の分化誘導剤として見出してきた物質が固形癌細胞に対しても有効な抗癌作用を示すことができるかどうかを検討している。昨年度はcotylenin Aとインドナガコショウ由来のROS誘導剤piperlongumine (PL) とを併用処理すると早期にフェロトーシスを介した顕著な膵癌細胞死を誘導できることを見出した。現在、cotylenin Aはその産生菌が変異した為供給不可能の状態になっている。そこで、本年度は、現在報告されているcotylenin A模倣体 (ISIR-050)がcotylenin Aと同様にPLと相乗的に膵癌細胞の増殖を抑制できるか、さらに、フェロトーシスを介した顕著な膵癌細胞死を誘導できるか否かを検討した。その結果、ISIR-050とPLの併用処理ではフェロトーシスが誘導できなかった。Cotylenin Aの分子内にはエポキシド構造が存在するがISIR-050はこのエポキシド構造を持たないので、cotylenin AとPLのフェロトーシス誘導にはCN-A分子内のエポキシド構造が重要であることが示唆された。一方、低濃度で比較的長時間ISIR-050とPLをPANC-1およびCFPAC-1細胞に併用処理すると相乗的に増殖を抑制できることを見出した。ISIR-050とPLとの併用処理でスフェア形成も相乗的に抑制した。この併用処理による細胞死はNAC処理、カスパーゼ阻害剤またはオートファジー阻害剤で有意に回避された。以上の結果からcotylenin A模倣体 (ISIR-050) とPLとの併用処理ではフェロトーシスを介した膵癌細胞死を誘導出来なかったが、低濃度で比較的長時間併用処理することで相乗的な膵癌細胞死を誘導出来ることを見出した。また、これらの細胞死誘導には主にアポトーシスおよびオートファジー関連死の関与が示唆された
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Research Products
(2 results)