2016 Fiscal Year Research-status Report
癌遺伝子候補MYNNとp53の統合的解析と肺癌発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
16K10460
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊藤 佐智夫 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30335624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 香織 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50722162)
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70379840)
片山 博志 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (90713975)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癌関連遺伝子 / 肺癌 / p53 / MYNN |
Outline of Annual Research Achievements |
癌関連遺伝子Myoneurin(MYNN)は、BTB/POZ-Zinc Finger(ZF)タンパク質ファミリーに属し、肺扁平上皮癌、卵巣癌、食道癌、乳癌等において高頻度で遺伝子増幅がみられる。申請者は、これまでの研究によりMYNNは腫瘍形成能、p53との結合能を有することを確認している。本研究の目的は、MYNNの癌関連遺伝子としての機能とp53との相互作用を統合的に解析し、肺扁平上皮癌における発癌メカニズムを明らかにすることである。 染色体3q26の増幅のないことが確認されているヒト肺正常細胞(HBEC-3KT)、p53野生型ヒト肺扁平上皮癌細胞株(NCI-H2170)p53変異型ヒト肺扁平上皮癌細胞株(HCC15)、p53野生型ヒト肺腺癌細胞株(A549)を用いて、MYNN高発現安定細胞株とMYNN-shRNAを用いたノックダウン細胞株の作製を試みた。pCDNA3-ZeoおよびpCDH-CMV-MCS-EF1-copGFPのマルチクローニングサイトにMYNNまたはFLAG-MYNNを挿入し発現ベクターを構築した。これら発現ベクターを細胞に導入した後に薬剤処理にてクローンの選択を行った。野生型p53をもつH2170およびA549細胞株ではMYNNの安定発現株を得ることができなかったため、何らかの抑制機構が働いていると考えられる。 p53野生型ヒト肺扁平上皮癌細胞株(NCI-H2170)とp53変異型ヒト肺扁平上皮癌細胞株(NCI-H157)と申請者が作製したMYNN抗体とp53抗体(DO-1)を用いて行うSequential ChIP-seqは条件設定に時間を有しており現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
p53野生型ヒト肺癌細胞において、MYNNの安定発現株を得ることができなかったため、予定していた実験が遅れている。しかしp53変異型の肺癌細胞株においてはMYNNの安定発現株が容易にできることから、p53とMYNNの拮抗作用が考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
p53野生型ヒト肺癌細胞においてMYNNの安定発現株を得ることが難しいため、p53を発現していない細胞株(例えばH1299)でMYNN安定発現株を作製し、その細胞株に野生型または変異型のp53を遺伝子導入することにより研究を進めていく。またp53野生型細胞株についてもレンチウイルスベクターを用いて再度MYNNの安定発現株の作製を試みる予定である。
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Causes of Carryover |
p53野生型ヒト肺腺癌細胞株でMYNNの安定発現株を作成困難であったため、予定していた実験計画が若干遅れてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
p53野生型ヒト肺腺癌細胞株でMYNNの安定発現株を作成困難であることから、p53を発現していないヒト肺扁平上皮癌細胞株でMYNN安定発現株を、またp53野生型ヒト肺腺癌細胞株でもレンチウイルスの系でMYNN安定発現株を構築する予定であるため、その過程で必要となる試薬等の購入に充てる。
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