2017 Fiscal Year Research-status Report
肥満外科手術マウスを用いた減量効果における視床下部NPYシステムの解析
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16K10462
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金高 賢悟 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (10549570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 晋 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80404218)
小林 慎一朗 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (80623363)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肥満外科手術 / 視床下部 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病などを随伴した病的肥満症が日本でも増加傾向である。現在、世界的に減量効果の認められた治療法である肥満外科手術は、2014年から日本でも保険収載され、今後症例数が増加することが予想される。摂食制限、吸収制限などが減量の機序として報告されているが、肥満外科手術による生存期間延長や癌発生率の低下の機序や、中枢神経系の働きに関する検討は少ない。今回の研究の目的は、肥満外科手術における中枢神経系、特に視床下部の関与を明かにし、肥満症手術後の中枢神経系-消化器連関のメカニズムを解明し、中枢神経系を標的とした病的肥満症治療法開発の端緒とすることにある。そのために摂食の調節や情動行動に関して重要な役割を演じるとされている視床下部において、摂食抑制の機能を持つNPYニューロンに着目した。NPYノックアウトマウスに関してはすでにcaloric restrictionにおける生存期間延長などに関与することが報告されておりavailableであるため、同マウスを用いた肥満手術マウスモデルの作製に着手している。最終的に日本にて多く行われているスリーブ状胃切除術モデルを作製し、野性型マウスとNPYノックアウトマウスにて同手術を行った場合の体重減少や摂食行動の比較を行う予定であるが、現時点ではまだモデルの作製に至っておらず、準備を行っている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
手術モデルの作製に関しては、これまではラットにおける肥満外科手術モデルの報告が多く、より体躯の小さなマウスのモデルに関する報告は少ない。先行施設である大分大学にてラットモデルを作成していることより、見学に伺い、手技や道具に関してご教授いただき、準備に時間を費やしているが、現在はまだモデルの作製に取りかかれていない状態である。使用するノックアウトマウスはNPYヘテロのものが入手可能であったため、現在NPYホモマウスを得るべく繁殖を繰り返している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
手術モデルの作製に関しては、まずは通常マウスによる手技の修練を行う準備をしており、手術器具や麻酔方法の準備などこちらはすぐに取りかかれる状態に達している。おそらく10匹ほど行うことで手技は安定することが見込まれる。NPYホモマウスに関しては、繁殖が徐々に進んでおり、仔マウスが生まれている状態である。今後genotypingを行い、NPYホモノックアウトの雌雄マウスを入手することが出来るようになり、手術手技の安定と相まって実験の進捗が期待出来ると考えている。
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Causes of Carryover |
当初の予定に比較し、マウスの繁殖や肥満手術マウスモデルの確立等の進捗が遅れている。そのため、採血による種々の血清ホルモンの測定やさまざまな解析に係る経費の削減に努めた結果、次年度使用額が生じてしまった。次年度も引き続き、マウスの繁殖や肥満手術マウスモデルの確立を行っていく予定である。
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