2017 Fiscal Year Research-status Report
乳癌治療時の遊離真皮脂肪片(FDFG)移植に関する基礎的・臨床的研究
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16K10465
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
喜島 祐子 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (60381175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 宗嗣 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (00649072)
中条 哲浩 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (20404486)
新田 吉陽 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (20725733)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
有馬 豪男 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (90418856) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳癌 / 乳房温存手術 / 遊離真皮脂肪片 / オンコプラスティックサージェリー |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌治療時に行われるFDFG移植法は、日本人女性に適したORBSとして有用な方法であること、整容性に優れるといった臨床結果と同様に、病理学的免疫学的に脂肪組織およびそのボリュームが保持される、といった本手技の特徴が明らかとなった。しかし、同様に術後早期より周囲乳腺組織・脂肪組織より硬く蝕知される問題点が指摘された。比較的術後早期の段階より硬化が生じ、とくに脂肪性の乳房では、背景の柔らかい乳房組織と移植遊離真皮脂肪片の教会部分に極端な硬度の差を生じることが確認された。 2003年より本手技を臨床導入し臨床経過を観察中である。 ⅰ術後最長13年経過した症例の整容性を評価した。手術前の欠損部の位置、移植したFDFGのサイズ(幅、頭尾、厚さ)および重量を照らし合わせた。長期経過礼の整容性は術直後とほぼ変化がなかった。術後早期の整容性を決定する因子は多施設研究にて乳癌手術時の切除量、移植FDFGのサイズと一致していた。 ⅱ血小板含有血漿成分を用いた新たなFDFG移植、ⅲ脂肪幹細胞含有脂肪による新たなFDFG移植については、現在基礎研究を導入予定で、安全性を確認する為のシステムを構築していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
専門領域の学会(日本外科学会・日本乳癌学会・日本臨床外科学会・日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会等)で発表、座長を務め、本手技に関する臨床的基礎的な知識を深める事が出来た。 臨床データを蓄積解析中である。 FDFG移植に関する新たな手技(血小板含有血漿成分を用いた研究、脂肪幹細胞含脂肪による移植研究)の基礎実験を予定していて研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)血小板含有血漿成分を用いた新たなFDFG移植 基礎実験として、血小板含有血漿成分を担癌状態・周術期の症例より採取する。FDFG移植例に対する付加前の臨床研究として成分分析血小板含有血漿成分の生化学分析を行う。血中遊離癌細胞の存在を否定する為に、PCR、Cell Search Systemを用いて、添加予定血小板含有血漿成分の安全性を確認する為システムを構築する。 2)脂肪幹細胞含有脂肪による新たなFDFG移植 FDFGコ付加ロール群の手術時に発生する、ドナー部位(下腹部)の廃棄予定の脂肪組織より細胞不可型脂肪移植(Cell Assisted Lip otransfer:CAL )に必要な、脂肪細胞・脂肪幹細胞の分離を行う。従来、下腹部や側腹部、大腿より吸引管を用いて採取していたこれらの組織を、手術の際に廃棄する余分組織を細砕することで細胞付加型脂肪移植に可能な比率の脂肪細胞と脂肪幹細胞含有成分に分離することが可能かどうか実施する。
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