2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10467
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
早瀬 傑 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00583387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩舘 学 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (00381393)
鈴木 眞一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (70235951)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 甲状腺 / 幹細胞 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
甲状腺未分化癌を分化誘導することが本研究の目的であったが、まず甲状腺幹細胞における詳細な解析をおこなった。マウス甲状腺組織からSide Population cellを分離し、それを培養することによりSPTL(Side Population Thyroid Cell Line)を樹立した。この細胞株は、甲状腺分化マーカーであるTg、TPOは発現せず、甲状腺特異的な転写因子であるNKX2-1は発現しているが、PAX8は発現していなかった。この細胞株と甲状腺未分化癌および甲状腺乳頭癌の遺伝子プロファイルを比較することにより、SPTLは甲状腺未分化癌の遺伝子プロファイルに似ていることが明らかとなった。さらにEMT関連遺伝子であるSnai1, Snai2, Twistなどの遺伝子が高発現していることが明らかとなった。次に、甲状腺幹細胞の起源を調べるために、Nkx2-1(fl/fl);TPO-creマウスを用いて解析をおこなった。このマウスは甲状腺濾胞上皮細胞でNKX2-1がノックダウンされることにより甲状腺のTurn overが早くなるマウスである。このマウスの甲状腺組織を観察すると気管近くにNKX2-1陽性、PAX8陰性、Tg陰性の濾胞を形成しない細胞群が存在し、SPTLの発現パターンと似ていることから、この細胞群が甲状腺幹細胞の可能性があると推測された。SPTLにNKX2-1を強制発現させるとAKTのリン酸化が確認できることは昨年度の研究で明らかにしたが、Nkx2-1(fl/fl);TPO-creマウスの甲状腺気管側の濾胞を形成しないNKX2-1陽性の細胞群ではAKTのリン酸化が確認でき、分化にAKTのパスウェイが関連することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスにおいて甲状腺幹細胞の存在は推測できたが、甲状腺未分化癌とNKX2-1の関連性を明らかにしていない。
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Strategy for Future Research Activity |
TPO-cre/BRAFマウスは甲状腺癌を発生することが知られている。さらにp53変異マウスの掛け合わせで未分化癌が発生する。このマウスの癌部のNKX2-1,PAX8,AKTのリン酸化を詳細に検討することにより、未分化癌の発生メカニズムを解明できると考えている。
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Causes of Carryover |
マウスの研究が遅れているため
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