2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of retroviral replicating vector-mediated suicide gene therapy for malignant mesothelioma
Project/Area Number |
16K10484
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
久保 秀司 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10441320)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 智基 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00599318)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | がんウイルス療法 / 増殖型レトロウイルスベクター / がん自殺遺伝子療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、癌細胞において特異的に感染・増殖する増殖型レトロウイルスベクター(RRV)を用いた癌自殺遺伝子療法の開発を進めている。平成29年度は、間葉系幹細胞(MSC)をキャリアとしてRRVを癌に効率良く到達・分配させることにより高い治療効果を得る新規治療法開発を目指した実験を進めた。 1. MSCにおけるRRVの感染効率、増殖効率およびRRV産生能の評価:GFP発現RRVを用いて、ヒトMSC3種について、RRVの感染効率、増殖効率及びRRV産生能を評価した。いずれのMSCにおいても中皮腫細胞株に比べ、感染効率は4~10倍低く、増殖効率は5~20倍低かった。しかし感染ウイルス量を増やす事で10cm-dish程度のスケールでも一度の感染で100%の効率を得られた。RRV産生能については、いずれのMSCにおいても中皮腫細胞株に比べ10倍以上低かった。 2. MSCの腫瘍細胞株への遊走能、RRV伝達効率の評価:レンチウイルスベクターを用いてGFP標識したMSCとmCherry標識した中皮腫細胞株をTranswell plateを用いた培養系を用い、MSCの中皮腫細胞株への遊走能を検討した。いずれのMSCも足場依存性及び非依存性の腫瘍遊走能を示した。GFP発現RRVを感染させたMSCとmCherry標識ヒト中皮腫細胞株をTranswell plateを用いた培養系を用い、MSCから中皮腫細胞へのRRV伝達効率の評価を検討した。いずれのMSCも中皮腫細胞にRRVを伝達することが明らかとなった。さらに接触共培養においては、Transwell plateを用いた培養(非接触共培養)に比べ、RRV伝達効率が格段に向上することが判明した。 以上の結果より、MSCをキャリアとしてRRVを癌に効率良く到達・分配させる技術のin vitroにおける原理証明ができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、担癌マウスモデルを用いた実験においてMSCの腫瘍への集積、RRV伝達、腫瘍内RRV伝播の評価に加え、治療実験を行い効果増強の有無を評価する。
|
Research Products
(7 results)