2017 Fiscal Year Research-status Report
転移におけるcluster形成『循環がん微小環境』の解明と標的治療としての可能性
Project/Area Number |
16K10500
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白川 靖博 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60379774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間 和広 岡山大学, 大学病院, 助教 (10534761)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 癌関連線維芽細胞 / 食道癌 / リンパ節転移 / 遊走能 / 浸潤能 / 遠隔転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道癌臨床検体を用いた免疫組織学的検討では,CAFのマーカーであるFibroblast activation protein (FAP)の発現レベル(FAPスコア)が高い群 ではOS,DFSとも に有意に予後が不良であった.またFAPスコアが高いほうがリンパ節転移転移の頻度が高くリンパ節転移数とFAPスコアのには正 の相関関係が認められた. 食道癌細胞株とCAFのCluster作成および細胞生物学的検討では,正常線維芽細胞であるFEF3は癌細胞細胞株(TE1, TE4)の培養上清で刺激すると,CAFのマーカーであ るSMAやFAPの発現が上昇することがわかったので活性化されたFEF3をCAFとして使用した.CAF刺激群ではTE1およびTE4は上皮性の性質を失い,間葉系の性質を獲得することがわかった. Western blot analysisではCAF刺激群のTE1およびTE4は,浸潤や転移に関わる とさ れるたんぱく質「MMP2」の発現レベルが上昇していることも認められた. In vivoでは食道同所に癌細胞を移植し,その転移の程度をルシフェラ ーゼ発光にて評価した. 同所移植した癌細胞はリンパ節以外に,肝転移や腹膜播種も引き起こすことがわかった. Control群と比較するとCAF刺激群ではいずれの転移も多かったが,中でもリンパ節転移は有意 にCAF刺激群で有意にその数が多かった.また,この実験によりマウス食道同所移植は実際の癌患者の病態を模しており,リンパ節転移の評価を伴う実験を行う際には有用なモデルであることもわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
29年度に計画していたIn vivoでのリンパ節転移および遠隔転移の検討も修了している.さらにその成果の論文も完成し,現在投稿中であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
現在投稿中の論文がunder reviewの状況であるので,reviewerのコメントに基づいて追加実験等を考慮する. さらに,CAFをターゲットとする新規癌治療の研究開発を進める予定である.
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Causes of Carryover |
(理由) 実験消耗品の購入が当初の予定より安くすんだため. (使用計画) 繰り越しとなった金額は,主に次年度の実験消耗品に用いる予定である.
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