2016 Fiscal Year Research-status Report
レクチンマイクロアレイを用いた食道癌の再発予測マーカーの開発
Project/Area Number |
16K10507
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
圓福 真一朗 大分大学, 医学部, 客員研究員 (30722342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 教授 (60315330)
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 講師 (00404369)
上田 貴威 大分大学, 医学部, 講師 (30625257)
中嶋 健太郎 大分大学, 医学部, 客員研究員 (10625255)
伊波 英克 大分大学, 医学部, 准教授 (50242631)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食道癌 / 糖鎖 / レクチン / 予後予測マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
【はじめに】消化管癌の中でも胃癌、大腸癌の本邦の死亡数は上位を占める癌であり、食道癌も男性では死亡数第7位である。食道癌における合計5年生存率は34.6%であり、予後不良な疾患である。治療の個別化のためには新しい予後予測マーカーが必要である。すでにわれわれは大腸癌組織53例のホルマリン組織検体を材料とし、大腸癌に特有のレクチンアレイプロファイリングを行なっている。大腸癌では正常部と比較して特定のレクチン結合性を示す糖鎖を有する症例が見られ、その一部は予後と強く相関していた。本研究では食道癌の予後予測マーカーの同定及び遠隔転移先での糖鎖構造の変化にも注目し転移予防や転移治療の研究を目指す。 【方法】食道癌60例を対象とし、レクチンプロファイリングを行う。原発巣のホルマリン固定切除標本から抽出した膜タンパク質を、cy3で蛍光標識する。糖鎖を認識するレクチン45種類を固層化したレクチンアレイ(GP BioSCIENCES)を使用して糖鎖プロファイリングを解析する。 【結果】53症例の食道癌切除標本の癌部組織および非癌部組織をサンプリングした。それぞれの組織標本のレクチンプロファイリングを行った。現在、癌部/非癌部の糖鎖発現解析、再発・転移に関わる糖鎖発現の解析を行っている。 【まとめ】食道癌の転移や再発に関わる糖鎖と高い特異性をもって結合するレクチンの網羅的解析を行った。これまでにわれわれは、胃癌・大腸癌の遠隔再発に関わるレクチンを報告しており、本研究課題では、食道癌の予後予測マーカーの同定に加え、遠隔転移先での糖鎖構造の変化にも注目し、転移予防、転移治療の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに予定症例の標本サンプリングは完了し、レクチンプロファイリングを行うことが出来た。現在、臨床的背景因子や再発・転移に関連するレクチンデータの解析を行っている。今後も引き続き研究計画に沿って研究を継続する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究状況)本研究予定期間は3年を予定しており、研究目的は食道癌のレクチンの網羅的解析法を用いて再発因子および転移予測因子を同定することである。平成28年度は食道癌53症例より癌部および非癌部をそれぞれサンプリングしレクチンプロファイリングを行った。これらのデータを遠隔転移、遠隔リンパ節の転移臓器ごとに症例をわけ、再発や転移と関連のあるレクチンを同定した。 今後の研究方策)現在までの研究で判明したレクチンをもとに、平成29年度はさらに症例を抽出し食道癌の原発巣と転移巣でのレクチンプロファイリングを行い、遠隔転移病巣で発現の強いレクチンを同定する。また遠隔転移に関与する糖鎖の同定を行う。さらに遠隔転移に関与する糖転移酵素の同定を行う。本研究期間内に明らかにした糖転移酵素をコードするmRNAを同定し、ノックダウンマウスを作成し、再発を予防できるか検討する。
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