2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10518
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
芹澤 朗子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70408491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 徹 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30282122)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胃癌細胞株 / Sanger法 / 3次元スフェロイド培養 / RNA干渉 / 増殖抑制 / 肝転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.胃癌細胞株を培養し、変異の解析に十分な量のDNAを回収・分離し、RHOAの変異をSanger法で確認後、RHOA変異株とRHOA野生株を2次元培養および3次元スフェロイド培養し、短二重鎖RNA (siRNA)を用いたRNA干渉にて、RHOA mRNAをノックダウンした。トランス フェクションには、短二重鎖RNAでリポフェクション法を用い、各細胞株のRHOAをノックダウン後に、細胞を回収し、蛋白を抽出し、Western blotting法を用いてRHOA発現の変化を確認すると、有効なノックダウンが得られていた。また、実験の再現性も得られた。 2.変異RHOAノックダウン細胞について96 well low attatchment plateを用いて3次元スフェロイド培養を行い、増殖抑制を経時的にATPを測定することにより定量化した。経時的変化には有意差がみられ、再現性も確認された。 3.RHOA変異あるいはRHOA野生細胞株のRHOAノックダウン細胞と非ノックダウン細胞を回収し、RNAを抽出した。さらに、抽出したRNAが、今後マイクロアレイで解析可能な濃度、RNA integrity numberであることをbionanalyzerにて確認した。 4.また、胃癌肝転移切除例における予後とその病理像の関連について、既知のRHOA変異が示唆される病理組織型を含め考察し、後向き観察研究として論文報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.胃癌細胞株のRHOA変異の状態をSanger法で確認する行程、RHOA変異株とRHOA野生株を2次元培養および3次元スフェロイド培養を滞りなく行うことができた。 2.短二重鎖RNA (siRNA)を用いたRNA干渉にて、RHOA mRNAをノックダウンしWestern blotting法を用いてRHOA発現の変化を確認する行程も滞りなく行うことができ、有効なノックダウンが得られ、再現性も得られた。 3.変異RHOAノックダウン細胞の増殖抑制を経時的にATPを測定する行程では、過去報告と同様のデータの再現が必要であったが、そのためにはmethodに記載がなかった細かい箇所での系の確立が必要で多少の試行錯誤があったが、最終的には再現性のある有効なデータが得られた。 4.RHOA変異あるいはRHOA野生細胞株のRHOAノックダウン細胞と非ノックダウン細胞を回収し、RNAを抽出する行程も滞りなく行うことができ、抽出したRNAのqualityも、今後マイクロアレイで解析可能な濃度、RNA integrity numberであったため、特に問題なく完遂可能であった。 5.論文発表した胃癌肝転移の後向き観察研究では、予後因子の検討の際、RHOA変異例での病理所見の特徴を含め考察した。今後の解析結果と照らし合わせることで、理解が深まるものと思われる。 全体として、実験の行程で予期しない試薬のlossや、実験を滞らせるような大きなミスなどはなく、予定の実験を終了することができ、さらに次年度分の実験に進むための準備ができているため、本研究課題の進捗状況は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.回収した変異 RHOAノックダウン細胞と非ノックダウン細胞のリボゾ ームRNAを除いたRNAを用い、トランスクリプトームによる網羅的な蛋白発現解析を行う。蛋白はリン酸化蛋白アレイによりリン酸化蛋白発現の変化を網羅的に解析する。 マイクロアレイ, リン酸化蛋白アレイ解析の結果から変異 RHOAノックダウン関連分子および信号伝達経路関 連分子の変化を同定する。 2.変異 RHOAノックダウン関連分子については、遺伝子クローニング、発現ベクター作成し、さらに変異RHOAノックダウン後のレスキュー実験を行い、変異RHOAノックダウンの表現型責任分子であることを確認し、発現ベクター導入による強制発現あるいはRNA干渉によるノックダウンを行ったうえで、特異的抗体による蛋白発現解析、蛍光免疫細胞化学法による細胞内局在、動態の解析、細胞生存、増殖、遊走・浸潤能の変化を解析する。 3.変異RHOA細胞株でRHOA恒常的ノックダウン細胞、非ノックダウン細胞を免疫不全マウスの胃漿膜内に接種し、腹膜播種形成の有無を解析する。また、変異RHOA細胞株を腹腔内に投与して腹膜播種モデルをつくり、RHOA抑制剤、RHO抑制剤+抗癌剤の効果を解析する。あるいは必要に応じ変異RHOA細胞株を免疫不全マウスの腹腔内でなく経門脈的に投与して肝転移モデルをつくり、同様にRHOA抑制剤、RHOA抑制剤+抗癌剤の効果を解析する。
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Research Products
(1 results)