2016 Fiscal Year Research-status Report
正常大腸幹細胞を傷害しない大腸癌幹細胞特異的治療ターゲットの解明
Project/Area Number |
16K10539
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久森 重夫 京都大学, 医学研究科, 助教 (50534351)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 大腸癌幹細胞 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題が倫理委員会に承認された後、当科にて大腸癌に対して原発巣切除術を施行された患者の正常大腸上皮および大腸癌組織の一部をそれぞれ摘出し、DCLK1の免疫染色を施行した。 大腸癌組織では広範にDCLK1陽性細胞が分布していたが、正常大腸上皮では腺窩底も含めDCLK1陽性細胞はほとんど認めなかった。 以上の免疫染色を各々3例に施行した。 続いて、上記のごとく正常大腸上皮および大腸癌組織の一部を摘出し、各組織を機械的、化学的に細胞レベルで分離して単細胞化した後、表面抗原に対する抗体で認識させ、flow cytometryを用いて各々正常大腸幹細胞、大腸癌幹細胞と呼ばれる集団(EpCAM+/CD44+/CD66a-)をsortingした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理委員会承認までにかなりの時間を要した。また、臨床検体からの検体採取がそれぞれの癌の状態や大きさに依存していたため、適当なサンプルを採取することにもやや時間を要した。その後の免疫染色や、flow cytometryによる抗原抗体反応などは、ほぼ予想通り順調に施行できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒト正常大腸および大腸癌組織から、flow cytometryを用いて、正常大腸幹細胞および大腸癌幹細胞集団を抽出し(いずれもEpCAM+/CD44+/CD66a-)、各々384種のmiRNA発現profileを作成して比較を行う予定。現段階ではまだpreliminaryな結果ではあるが、すでに正常大腸幹細胞に高発現し、大腸癌幹細胞での発現が抑制されている候補がいくつか見つかっている。一方でDCLK1 mRNAは大腸がん幹細胞集団で高発現し正常大腸幹細胞での発現が抑制されていることを同定しえた。
|
Causes of Carryover |
若干の端数が生じた為
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算と合わせて使用予定である。
|