2018 Fiscal Year Research-status Report
大腸がん転移を規程する間質細胞の因子の同定とその機能解析
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16K10558
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Research Institution | Sasaki Foundation |
Principal Investigator |
関谷 剛男 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 研究所所長(移行) (70142651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 幸男 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (00549488)
藤井 智明 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 部長(移行) (10511420)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒト大腸癌細胞 / がん転移 / 間質細胞 / ゼブラフィッシュ / 転移促進抑制因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ゼブラフィッシュを用いた大腸癌転移モデルとトランスポゾンを用いた挿入変異導入系を用いて、間質細胞の大腸癌転移における役割およびそのメカニズムを明らかにすることを目的とする。昨年度まで、トランスポゾンを全身で発現するベクターとトランスポザーゼを骨髄球系細胞で発現させるベクターを作製した。本年度は、これらのベクターを用いて目的のゼブラフィッシュの作製を試みた。トランスポゾンを全身で発現するベクターについては、マイクロインジェクションを行うための条件を検討し、その結果を基に目的の個体の作製を試み、目的のF0個体を得ることができた。トランスポザーゼを骨髄球系細胞で発現させるベクターについては、tol2システムを用いて目的の遺伝子の導入を試み、目的のF0個体を得ることができた。現在、これらの個体を維持している。今後、これらの個体の中から目的遺伝子の生殖系列移行を示す個体を得て、目的の個体を作製する。また、ゼブラフィッシュを用いた大腸癌転移モデルの作製を目的として、大腸癌細胞のゼブラフィッシュへの移植実験の確立を試み、細胞の蛍光染色方法、インジェクション方法、移植後の飼育方法の検討の検討を行い、適切な染色方法とインジェクションのための細胞数、移植後の飼育方法を設定することができ、大腸癌細胞のゼブラフィッシュへの移植を行えるようになった。今後、これらの条件をもとに目的とするゼブラフィッシュを用いた大腸癌転移モデルの構築を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トランスポゾンを導入したトランスジェニックゼブラフィッシュとトランスポザーゼを発現させるトランスジェニックゼブラフィッシュの作製を試みたが、本研究所のゼブラフィッシュ飼育システムにおける適切な飼育環境を設定することが遅れ、F0のトランスジェニックゼブラフィッシュの作製のみとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はトランスポゾンを導入したトランスジェニックゼブラフィッシュとトランスポザーゼを発現するトランスジェニックゼブラフィッシュのFO世代を得ることができ、さらに、大腸癌細胞のゼブラフィッシュへの移植が行えるようになった。今後、これらの個体および大腸癌細胞のゼブラフィッシュへの移植法を用いて、目的のゼブラフィッシュを用いた大腸癌転移モデルとトランスポゾンを用いた挿入変異導入系を確立する。
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Causes of Carryover |
本年度は、本研究所のゼブラフィッシュ飼育システムにおける適切な飼育環境を設定することが遅れたため、研究計画通りに進めることができなかった。次年度以降は、ゼブラフィッシュを用いた大腸癌転移モデルの構築および目的のトランスジェニックゼブラフィッシュの作製のために研究資金を使用する予定である。
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[Presentation] 癌で高頻度に見られる新規FBXW7癌特異的変異条件的ノックインマウスの樹立と解析2018
Author(s)
劉 洵,池上 恒雄,寺門 侑美, 朱赤,大杉友之,松原 大祐, 藤井 智明, 角田 茂, 久保 幸子,柴田 琢磨, 山口 貴世志,岩倉洋一郎, 古川 洋一
Organizer
第77回日本癌学会学術集会