2016 Fiscal Year Research-status Report
消化器癌におけるHippo-pathwayを介した癌幹細胞性獲得機構の解明
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16K10578
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
林 洋光 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (80625773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美馬 浩介 熊本大学, 医学部附属病院, 病院教員 (00546559)
中川 茂樹 熊本大学, 医学部附属病院, 寄附講座教員 (10594872)
今井 克憲 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60555746)
東 孝暁 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (70594878)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Hippo pathway / Yap / TAZ / 抗がん剤抵抗性 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞癌株(HLF, SKHEP1)、大腸癌細胞株(SW620)や食道癌細胞株(TE-1)において、腫瘍抑制シグナルHippo pathway の構成成分YAP とTAZ の発現検討を行ったところ、肝細胞癌株においては、TAZ優位で発現していたのに対して大腸癌株や食道癌株においてはYAP優位(YAP>TAZ)で発現していた。この結果は非常に興味深く、消化器癌においても肝細胞癌と大腸癌、食道癌においては腫瘍抑制シグナルHippo pathwayの役割が異なる可能性が示唆された。大腸癌細胞株および食道癌細胞株でYAPのsiRNAを行い、TAZ/YAPの発現変化を検討したが、YAPの発現低下はsiRNAで得られていたがcompensateなTAZの発現上昇は認められなかった。細胞増殖能はYAPのsiRNAにより有意に低下しており、YAPは大腸癌および食道癌における細胞増殖能に深く関与していることを同定した。 引き続き、「腫瘍抑制シグナルHippo pathway の構成成分YAP とTAZの発現プロファイルが消化器癌細胞の増殖能や抗がん剤抵抗性・腫瘍形成能のいった生物学的特性を制御し、癌幹細胞様の性質獲得に関与する」という仮説に基づいて研究を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年4月の熊本地震による実験施設および多くの試薬が被害を被ったため、予定していた実験の再スケジューリングを要した。当初予定していた、癌幹細胞能に関する検討がまだ終了しておらずやや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き実験計画に基づいて研究を遂行する。また、高コレステロール治療薬として広く用いられているスタチンがHippo pathway の構成成分であるTAZの発現を抑制する実験結果を得ており、これらの実験結果も踏まえて今後治療薬としての可能性について検討を行いたい。
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Causes of Carryover |
熊本地震の影響もあり、予定していた実験の再スケジューリングを要し、当初予定していた実験計画まで進むことが出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験施設も復旧し、実験計画に基づき、進めていく上で、試薬等の消耗品購入費、及び実験データの集約、管理、資料整理等を行ってもらう事務補佐員の雇用経費に充てたいと考える。
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Research Products
(2 results)