2016 Fiscal Year Research-status Report
生理活性脂質を介した自然免疫細胞間クロストークによる肝修復制御
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16K10581
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 義也 北里大学, 医学部, 非常勤講師 (40203187)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肝修復 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝虚血再灌流障害におけるPGE2とPGE受容体(EP1-4)の役割を明らかにするために雄性C57BL6マウス(WT)用いて、麻酔下に70%肝部分温虚血(45分)/再灌流をおこなった。このモデルでは再灌流48時間後に肝臓は修復期に入っていることを確認した。PGE受容体サブタイプは再灌流後いずれもその発現は増強したが、特にEP4が目立った。しかしながら、各PGE受容体選択的拮抗薬を投与したところでは、肝修復に関与しているサブタイプはEP3でありEP3欠損マウスを用いた検討でも同様であった。さらに肝集積マクロファージは肝修復に重要な役割を果たしていることから、マクロファージの動態をしらべたところ、EP3欠損マウスでは向炎症マクロファージとされるM1マクロファージの集積が野生型マウス(WT)よりも多く集積し、逆に抗炎症マクロファージとされるM2マクロファージがEP3欠損マウスよりも野生型マウス(WT)で多く集積した。さらに樹状細胞の集積について検討したところ、EP3欠損マウスよりも野生型マウス(WT)で多く集積した。 これらの結果から、肝虚血再灌流後mPGES1により産生されたPGE2は、EP3受容体シグナルを介してM2マクロファージや樹状細胞を集積させて肝虚血再灌流障害後の肝修復に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 本研究が、当初に立案した実験計画に沿って、ほぼ順調に遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実験計画に沿って、本研究を進める。
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Causes of Carryover |
物品納入期間が延長され使用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画書通り使用する予定である。今年度使用しなかった研究費については、一般試薬、抗体の購入に使用する。
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