2016 Fiscal Year Research-status Report
膵臓癌の新規治療法開発を目的としたTrkB/BDNF経路の解析
Project/Area Number |
16K10603
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梁井 公輔 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10621055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 秀哉 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30553276)
中村 勝也 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60585743)
今泉 晃 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30624051)
永井 俊太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (90755240)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵癌 / TrkB / BDNF / 増殖能 / 浸潤能 / 新規治療法開発 / 膵癌悪性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、膵癌におけるTrkB/BDNF経路の生物学的役割の解析:特に癌悪性形質として極めて重要なphenotypeである増殖、浸潤についてまず、検討を行うこととした。膵癌細胞株(ASPC-1、SUIT-2およびPanc-1)を標的細胞とした。まず、TrkB、BDNFが各細胞株で発現していることをwestern blot法で確認した。続いて、TrkB siRNA、BDNF siRNAおよびTrkBのチロシンキナーゼ阻害剤であるk252aを用いてTrkB/BDNF signalを阻害する実験と、遺伝子組み換え型BDNFを用いてTrkB/BDNF signalを刺激する実験を行った。まだ、preliminaryな結果ではあるが、浸潤については、TrkB/BDNF signalの阻害(各種阻害剤全てで)によって、浸潤は有意に抑制された。しかし、BDNFを用いてTrkB/BDNF signalを刺激しても、浸潤に有意な変化は見られていない。これは引き続き検証していきたい。増殖については、TrkB siRNAでsignalを抑制したときのみ、有意に足場依存性の増殖が低下した。しかし、BDNF siRNAおよびk252aでsignalを抑制しても、足場依存性の増殖の変化は認められていない。また、BDNF添加によってsignalを刺激しても、同様に足場依存性の増殖の変化は認められていない。これら、増殖、浸潤における一見、矛盾する結果が、再現性があるかどうかを検証すると共に、足場非依存性増殖(コロニー形成)やマウスを用いた異種移植によるvivoでの増殖実験も行い、膵癌におけるTrkB/BDNF経路の役割を明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膵癌細胞株によって、増殖能の動きが異なり、真偽を確認するために繰り返しの実験が必要となった。そのため、三次元癌組織類似モデルでの実験や、TrkB/BDNF経路関連分子発現制御に関与する薬剤、遺伝子の網羅的解析が、遅れた状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、三次元癌組織類似モデルでの実験や、TrkB/BDNF経路関連分子発現制御に関与する薬剤、遺伝子の網羅的解析を行うとともに、免疫不全マウス移植系による治療実験を行い、vitroで得られた結果が、vivoでも反映されるかを検証したい。
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Causes of Carryover |
vitroでの再現実験を繰り返したために、TrkB/BDNF経路関連分子発現制御に関与する薬剤、遺伝子の網羅的解析を行えなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度行えなかったTrkB/BDNF経路関連分子発現制御に関与する薬剤、遺伝子の網羅的解析(DNAマイクロアレイ解析など)を行い、遺伝子解析を行い、TrkB/BDNF経路関連分子発現制御に関与する薬剤、遺伝子を見出したい。
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Research Products
(4 results)