2016 Fiscal Year Research-status Report
Myosteatosisの病態解明による膵癌新規集学的治療戦略の開発
Project/Area Number |
16K10607
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
赤堀 宇広 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (10423922)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50364063)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 異所性脂肪 / 膵癌 / 膵外分泌機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.外分泌能との関連性の検討:現在,膵頭十二指腸切除術予定症例を対象とする膵外分泌機能低下と骨格筋脂肪化との関連を調べる前向きの観察研究を策定中である.膵外分泌機能は,13C呼気膵外分泌機能試験,pancreatic function diagnostic test(PFD)にて行うこととし,外分泌機能の測定を術前,術後一ヶ月目に行い,MSとの相関,術後補助化学療法完遂率,予後との関係を他の臨床病理学的因子とともに検討する予定である. 2.インスリン抵抗性についての検討 :現在,膵癌切除症例,膵癌切除不能症例において,来院時のインスリン抵抗性(HOMA-R)とMSとの相関を観察研究とし,症例を集積中である. 3..アディポサイトカイン測定 :脂肪細胞から分泌される生理活性物質である各種アディポサイトカインの測定を行い,膵癌患者におけるMSとの関連,臨床的意義について検討を加えている.さらに現在,膵癌切除症例の大網及び皮下脂肪を術中採取し,脂肪組織内に浸潤するマクロファージのタイプ(炎症性M1マクロファージ(Mφ)と抗炎症性M2Mφの分布比率)を測定し,アディポサイトカインとの関連,MSとの関連を検証し,免疫学的側面から,MSを含めた脂肪組織の生理的活性が膵癌に与える影響の解明を試みている. 4.栄養および運動介入試験:膵癌患者を対象として,栄養および有酸素運動の介入を行い,それらの臨床効果について検討している.現在,切除不能膵癌患者に対し,日常の活動性をリストバンド型活動量計を用い計測し,活動量とMS,化学療法の忍容性及び予後を評価する臨床試験を予定している.また,当科で行っている膵癌術前化学放射線療法期間中に,有酸素運動療法を週5日間行う運動介入を行い,骨格筋脂肪化の予防と改善を目的とした介入試験のプロトコールを現在策定中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床試験に対する適格症例の集積に時間を要しているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後.後方視的に可能である研究課題を本年度中にまとめ,論文化する. なお,前向き試験における症例集積に関しては,学外の関連施設を含め,協力を求め,試験遂行に適切な症例数を確保する.
|
Causes of Carryover |
現在進行中の前向き試験の症例登録がやや遅延しており,計測に必要な機材,薬剤,試薬の使用量が想定よりすくなかったため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後症例集積の目処が立ちつつあること,また,切除不能膵癌例での前向き観察試験を本年度中には開始する予定であり,その際,病理標本の作成,各種試薬代が必要となり,研究費を適切に使用できる見込みである.
|
Research Products
(2 results)