2017 Fiscal Year Research-status Report
胸部大動脈瘤の大動脈プラークに対するバイオマーカーとしてのシスタチンCの意義
Project/Area Number |
16K10665
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
西村 好晴 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70254539)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大動脈プラーク / シスタチンC / 弓部大動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
胸部大動脈瘤における人工血管置換術において動脈硬化に起因した合併症は術後の患者の今なお問題である。特に、弓部大動脈瘤に対する弓部全置換は術後脳梗塞が重要な合併症であり予後にも影響する。術中の大動脈プラークのその原因として大動脈プラークが重要である。我々は弓部全置換において両側腋窩動脈送血を行い、大動脈プラークによるの右側側の防止に努めてきた。一方、この大動脈プラークに対するバイオマーカーはいまだに存在しない。我々は血清シスタチンCに着目し、シスタチンCが胸部大動脈プラークのバイオマーカーになるかどうかを検討している。対象は弓部大動脈瘤の手術症例症例。方法は術前造影CTを解析ソフト(Intuition viewer)を用いて上行大動脈から腹部大動脈までの大動脈プラークの体積を計測している。またハンスフィールド値により大動脈プラークの性状をsoft、intermediate、hardに分析し、それぞれの比率を算出している。血液データとして術前シスタチンC、クレアチニン、LDL、HDLを計測し、生理検査からとして動脈硬化の指標であるbaPWVを計測している。今後の解析によりシスタチンCと大動脈プラークの体積に有意な相関性があるかどうかを検討する。さらに、大動脈プラークの性状とシスタチンCとの相関性についても検討する。シスタチンCが大動脈プラークの相関性が明らかになれば、シスタチンCは大動脈プラークのバイオマーカーとしての意義が認められたこととなり、術前の採血で動脈硬化のリスク評価が可能となり、胸部大動脈瘤の周術期管理に新たな注意喚起を促すこととなることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大動脈プラークの計測に時間を要している。その理由としてretrospective studyのため、過去の造影CTのslice幅により大動脈プラークの計測の精度に差が出てくる恐れがあるため慎重に計測している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに23例のデータの蓄積を行っている。さらにデータの蓄積を行い解析に移る予定である。
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Causes of Carryover |
データの蓄積を行っており、解析、論文作成に至っていないため。
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