2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10668
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 良子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30348643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槇野 香奈子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10772402)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞老化 / 大動脈解離 / 血管 / p16 / p21 / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、細胞老化の調節因子であるp21、p16の発現に着目し、ヒト大動脈解離患部血管の検体においてp21、p16の発現を検討した。さらにp16およびp21に着目し、p16欠損マウスおよびp21欠損マウスに大動脈解離モデルを作成して、大動脈解離に与える影響を検討した。ヒト大動脈解離血管において、p16およびp21の発現の増強が認められた。またマウス大動脈解離モデルの患部血管ではp16,p21,p53,γH2Xの発現の増強が確認された。p16欠損マウスおよびp21欠損マウスにおいて大動脈解離が増悪する傾向が認められた。これらの結果から、細胞老化の調節因子であるp16およびp21が大動脈解離の病変形成に影響を与えていることが判明した。また、細胞老化の調節因子p21の上流にあるp53に関しては、その発現増加が卵巣機能低下に働くことを明らかにし報告した(FASEB J 2019)。今後、細胞老化が大動脈解離に与える影響を確認するためにp21とp16のシグナル系の相互作用を現在作成中であるp21・p16の2重欠損マウスを用いて検討する予定である。また野生型マウスにsenolytic drugを投与することで細胞老化の影響をさらに検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は予定通り順調に進展し、大動脈解離に関する遺伝子改変マウスを用いた研究成果が得られている。また、関連する英文論文として発表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
大動脈解離に関する遺伝子改変マウスを用いた研究成果をさらに発展させ、その調節系の相互作用を検討する研究を進めつつあり、今後の新たな研究展開が期待できる。
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Causes of Carryover |
遺伝子改変マウスを繁殖させていたマウス飼育室に感染がおこり、感染したマウスは実験に用いることが出来ず、飼育室も移動させて新たに繁殖し直す必要が生じた。p53ノックアウトマウス、p21/16ダブルノックアウトマウスは繁殖率が低く新たな飼育室での繁殖で当初の想定に反し期間内に実験に必要な生体数が得られず研究が遅延した。研究遂行上必要なマウス成体数を得ることが必要不可欠なため、期間延長する必要が生じた。
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Research Products
(3 results)