2016 Fiscal Year Research-status Report
マウス肺移植モデルによる慢性拒絶反応の早期診断及び治療法の開発
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16K10672
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤原 大樹 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30451743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 崇裕 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (20400913)
岩田 剛和 千葉県がんセンター(研究所), 呼吸器外科, 主任医長 (30586681)
吉野 一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40281547)
本橋 新一郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (60345022)
鈴木 秀海 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (60422226)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 慢性拒絶反応 / 閉塞性細気管支炎 / 肺移植後慢性拒絶 / リンパ節 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マウス肺移植モデルを使用し、肺移植後に所属リンパ節および腹腔リンパ節を採取し、フローサイトメトリーやサイトカインアレイを用いてリンパ節内のリンパ球動態、免疫関連サイトカインを測定し分子生物学的考察を行う事で、肺移植後の慢性拒絶反応、特に閉塞性細 気管支炎(OB)に対する低侵襲かつ高精度な新規診断法、治療法の開発を目標とする。 C57BL/10 マウスの肺をドナー肺として、マイナー抗原不一致である C57BL/6 マウスをレシピエントに同所肺移植を行う実験を行った。吻合にはカフテクニックを用いて同所性左片肺移植を行った。移植後 21 日目に、動物用 CT による胸部 CT 撮影後レシピエントを犠牲死させ、肺及び血清とともに、左右の縦隔・肺門リンパ節と腸間膜リンパ節、脾臓、胸腺を採取し、病理検査で 約2,3割のマウスにOB を確認した。 また肺、リンパ節や脾臓に対する細胞分離、フローサイトメトリーの実験手技を確立した。フローサイトメトリーに関しては今後解析を行う予定である。これに加え、次年度にはCBA kitによるサイトカインアレイ、凍結保存した各種検体を用いて次世代シークエンサーを用いたRNAsequenceによる網羅的遺伝子発現解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カフテクニックを用いたマウスの肺移植手技は確立し、OBモデルの作成に成功した。肺、リンパ節を含めた検体は凍結保存しており、次年度解析を行う。フローサイトメトリーによるサイトカイン解析に関しては特に縦隔リンパ節で検体量が少なく、細胞分離、回収が困難であったが、これに関しても現在改善され、解析を行えるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
肺、リンパ節の凍結保存検体を用いて次世代シークエンサーによる遺伝子発現解析を行う。 今後もOBモデルを作成し、採取したリンパ節検体を用いて、IL-17A, TGF-β1, CD25等を含めたフローサイトメトリー解析を行う。またIL17Aを中心にCBAkitを用いたサイトカインアレイもリンパ節や保存血清で行う予定である。 さらに今後上記実験の結果から同定された新規バイオマーカーの検証を、実際の肺移植症例に対するEBUS-TBNAによるリンパ節生検を用いて行う展望である。
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