2018 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍特異的遺伝子異常による肺癌再発予測バイオマーカーの開発と補助化学療法の効果
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16K10674
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
橋本 毅久 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (30334668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 征二郎 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40646931)
土田 正則 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60293221)
小池 輝元 新潟大学, 医歯学系, 講師 (90635723)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺癌 / 遺伝子異常 / 術後再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は肺癌手術症例の手術前後の血清から癌由来の微量なDNAの検出すなわちmethylation-specific PCR(MS-PCR)法および変異特異的プローブによるrealtime PCR法などを利用して血清中からメチル化DNAや変異DNAの検出を試み、再発予後との関係を調べて再発ハイリスク症例を選別することを目的の一つとしている。 前年度までは、メチル化DNAの希釈系列を作成し、MS-PCR法の検出感度・特異度に関して検討した。DNAをSodium bisulfite処理してDNAのチミンをウラシルに変換した。p16遺伝子のプロモーター領域のメチル化を特異的に検出できるプライマーを設計・作成してPCRをおこない検出感度と特異性を調べた。PCRは特異性と感度を高める目的でnested-PCRとし、2nd PCRではアニーリング温度を高く設定した。また各サイクルを15秒程度まで短くし、かつサイクル数を35サイクルまで多くした。それらの工夫の結果、陽性コントロールのメチル化DNAを10の-6乗まで希釈したサンプルでもメチル化DNAを検出することが可能となった。本研究では原発巣において遺伝子変異、融合遺伝子、プロモーター領域のメチル化DNAの有無を調べて、異常の認められた症例を研究の対象症例としている。そこで原発巣でのp16遺伝子のプロモーター領域のメチル化の有無の検索をおこなった。50例症例の凍結保存された非小細胞肺癌の原発巣からDNAを抽出し、Sodium bisulfite処理をおこないMS-PCR法を用いてp16遺伝子のプロモーター領域のメチル化のメチル化の有無を検索した。正常肺でもメチル化が検出された7症例を除外すると43例中18例(41.9%)にメチル化が検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定されたエフォートが得られないため。また、血清からのDNA抽出が難しくPCRでの増幅が得られない症例があり、症例数を予定通りに増やすことが困難であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床症例の腫瘍と血液サンプルの保存、臨床データ管理、腫瘍や血清からのDNAの抽出に関しては、以前におこなった研究である程度なされているが、更に解析症例を増やすために症例の蓄積をおこなう。 凍結保存されている術前及び術後血清からDNAを抽出し、DNA量の検証をおこなう。MS-PCR法およびreal-time PCR法を用いて術前・術後血清中から遺伝子異常の検出が可能性であるかを調べる。またそれらの結果と再発予後との関係を調べる。
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Causes of Carryover |
研究の遅れがあったためと、既存の設備や試薬を用いることによって研究をおこなうことが可能であったため。今後は研究の進行に応じて備品や試薬購入の必要性が生じる予定である。
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