2018 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of PD-L1 expression and the clinical significance
Project/Area Number |
16K10680
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
舟木 壮一郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50464251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 正人 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10240847)
川村 知裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30528675) [Withdrawn]
奥村 明之進 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教授 (40252647)
新谷 康 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90572983)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | がん免疫 / PD-L1 / 胸腺癌 / 上皮間葉移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫チェックポイント経路の一つであるPD-1(Programmed cell death-1)/PD-L1(Programmed cell death-1-Ligand1)は、腫瘍免疫で重要な役割を担っているとされているが胸腺癌ではほとんど報告例がなく、またその発現制御についても不明である。以前より我々は肺癌細胞株を用いて上皮間葉移行(Epithelial mesenchymal transition; EMT)とPD-L1発現制御について検討し、その結果EMT誘導因子の一つであるTGF-βによってPD-L1発現制御を受けていることを明らかにした(Oncol Rep. 2017)。今回我々は外科切除検体から初代培養した胸腺癌細胞株を用いPD-L1発現制御の一端を明らかにするとともに、PD-L1発現とEMTとの関連性について分析した。当科で外科的切除した胸腺癌35例(観察中央値4.1年、平均年齢59歳、男;女26;9、正岡分類I/III/IVa/IVb期;2/20/4/9例)を対象とし、うち一例から初代培養を確立した。【方法】確立した胸腺癌初代培養株を用い分子生物学的に検討した(RT-PCR/Western blot)。また病理組織学的にはPD-L1、EMTマーカーを免疫染色にて評価し、それらの相関関係と臨床背景について比較分析した。なおEMT陽性はN-cadherin/Vimentin免疫染色陽性と定義した。【結果】TGF-β投与にてPD-L1のmRNA,タンパクでほぼ上昇を認めたが、有意差を認めるほどではなかった。また免疫染色の結果、PD-L1は35例中20例(57%)で陽性で、腫瘍径、正岡分類に有意な相関関係は認めなかった。予後解析したところ、無再発生存率ならびに全生存率はPD-L1陽性例が陰性例に比べ有意に不良であり(P=0.036/ P=0.01)予後因子であった。そしてPD-L1発現とEMTとに相関関係を認めた(P=0.003)。【結論】TGF-βによるPD-L1発現制御が示唆されたが、さらに検討が必要と考えられた、病理組織学的解析ではPD-L1は胸腺癌の有意な予後因子であるとともに、EMTとの関連性も示唆された。
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