2018 Fiscal Year Annual Research Report
The establishment of molecular testing using cytological materials for lung cancer treatments
Project/Area Number |
16K10690
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
田中 良太 杏林大学, 医学部, 准教授 (40415063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肺腺癌 / 細胞診 / Liquid Based Cytology / 上皮成長因子受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では気管支鏡下肺腫瘍生検の際に採取した細胞材料を使用した。生食10ml入りの遠心管内で鉗子先端を出し入れして洗浄し、遠心分離機にかけたのちBD シュアパスレッド保存液で固定する。LBC固定後のサンプルは細胞浮遊液ゼリー化試薬(iPGell)を用いて、固形状にしてセルブロックを作成した。まず肺癌手術材料の腫瘍割面の擦過材料を用いて、同様の工程でセルブロックを作成した。病理学的に診断された腺癌40検体を用いて解析し、EGFR変異(n=20)、KRAS変異(n=4)、EML4-ALK陽性(n=1)、ROS1陽性(n=1)を確認した。以上より本手法で作成したセルブロックを用いて、各種コンパニオン診断薬による解析は可能と判断した。気管支鏡の際に採取した器具洗浄液は計34検体で、同時に採取して保存した血漿検体も解析に用いた。まずは組織型の鑑別診断を目的として、TTF-1、NapsinA、CK5/6、P40の免疫組織学的解析を行った。34検体中3検体は腫瘍細胞がなく陰性、1検体は甲状腺癌の肺転移で解析から除外し、計30検体を本研究の解析対象とした。形態学的に組織型同定が可能であった腺癌18検体、扁平上皮癌8検体では染色性の不一致を認めなかった。形態学的に組織型の鑑別が困難であった4検体では、TTF-1およびNapsinAが陽性であった2検体を腺癌疑いとした。腺癌計20検体を用いてコバスEGFR変異検出キットv2.0によるEGFR変異解析を行った。一切片あたり腫瘍細胞数が数個であったセルブロックを用いた解析結果と、組織検体を用いた既知の結果とで検出数や箇所がほぼ同様であった(20検体中7検体)。また細胞材料の採取の際に採取した血漿検体による解析では20検体中4検体に変異が検出された。本研究によって微量な細胞材料を用いて最善で効率的な細胞回収と検体処理法を提示することができた。今後本研究による成果は肺癌コンパニオン診断の機会と、精度を高めていく一助になることを期待する。
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