2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10693
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
臼田 実男 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (60338803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 達哉 日本医科大学, 医学部, 助教 (00408139)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 肺癌 / 光線力学的治療 / レーザー / プラスチックファイバー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今後到来する超高齢化社会をみすえ、急増する小型末梢肺癌に対する低侵襲、低コストである新しい内視鏡治療法の確立を目的としている。そのために、新しく開発した柔軟性を有し末梢肺野へのアクセス性のよいプラスチックファイバーを肺末梢病変に誘導し、全周性にレーザー照射を行い光線力学的治療(Photodynamic therapy: PDT)を施行すること、3D画像構築による気管支鏡ナビゲーションにより超音波プローブで末梢肺野病変を確認し、柔らかく極細ファイバーを誘導して行うことなどを当初計画した。 平成29年度は、ファイバーに関する熱発生の有無、レーザー光の拡散などについて検討した。組織内で低出力レーザー照射を施行しても熱発生がおさえられることなどを確認した。また、末梢肺への誘導が行いやすくするために、ファイバー先端の形状を円形にすることで操作性の向上を確認することができた。また、「末梢小型肺癌に対する光線力学治療」に関する医師主導治験を行い、ファイバーの薬機法承認、タラポルフィンナトリウムやPDレーザー(半導体レーザー)の適応拡大にむけた取り組みを行ってきた。本年度では、治験にむけた対面助言、対面助言後相談をうけ、治験プロトコール等について検討した。 本研究は、多数の併存疾患を有する高齢者肺癌に対して、QOLを損なうことがなく、安全性の高い経気管支鏡的な根治術の確立を目指すもので、低コストであるPDTの適応拡大は、医療費の抑制効果も期待できるものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「末梢小型肺癌に対する光線力学的治療」を本研究で開発しているファイバーを用いて臨床研究、治験を予定している。そのため、PMDAへ対面助言(P4322)及び対面助言後相談を行い、治験での対象症例、試験デザイン等、プロトコールについて助言をいただいた。これと並行でファイバーに関する非臨床データの充足性について検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、ファイバーなどについての非臨床データの充足性についてPMDAへ機器に関する戦略相談をうけ、PMDAのアドバイスに従って実験を行う予定である。対面助言後相談を複数回行い、治験のためのプロトコール完成、プローブなどの薬機法承認を見据えた取り組みを行う。
|
Causes of Carryover |
主に動物実験(クラウンミニブタ購入、麻酔薬、運送料など)に関する実験の遅れのため、当該年度に使用できませんでした。次年度に動物実験、主にクラウンミニブタを使用してプラスチックファイバーの操作性、安全性、耐熱性について検討する予定です。前年度の実験の遅れは、動物実験の開始により当初の計画どおりに遂行し、予算を執行できると考えております。
|